子どもの習い事として、塾や公文に通わせていると、よく聞かれる質問があります。

「なんで勉強しなきゃいけないの?遊んでいるほうが楽しいのに!」

うちの子どもたちもよく言いますし、正直、私も子どもの頃に同じことを思っていました。「学校なんて行かずに、ずっと休みで生活できたら最高なのになぁ」と。そんなことを考えていた自分が、今は親になり、この問いについて改めて真剣に考えてみることにしました。


勉強はなぜ必要なのか?

学問の歴史は長く、紀元前3000年頃のメソポタミア文明ではすでに文字や天文学、測量学が体系化されていたといいます。それほど昔から人類は「知識を整理し、体系化する」ことを続けてきたわけです。

では、なぜ私たちはそれを学ばなければならないのでしょう?

私自身、親からは「勉強していい成績を取れば、社会に出たときに良い仕事を選べるから」と言われて育ちました。確かに、一流大学を出た人のほうがスタート時点では有利な場合が多いでしょう。しかし、それだけが「勉強する理由」ではないはずです。


勉強は生存の可能性を高める

この問いの答えは、「勉強は、人間の生存可能性を高めるもの」だと私は考えています。

例えば、毒キノコの話。最初に毒キノコを食べた人は、それが毒だと知らずに食べ、命を落としたかもしれません。しかし、その経験を記録し、後世に伝えたことで、「このキノコは危険だ」と知ることができるようになりました。

つまり、**「先人が長い時間をかけて得た知識を、一瞬で自分のものにできる」**のが学問なのです。学ぶことで、私たちは生き延びる可能性を高め、より良い選択をすることができるのです。

「今は学歴じゃない」と言われつつも、学歴が重視される場面が多いのは、厳しい競争を勝ち抜ける可能性が高い人を企業が求めているからでしょう。ただ、社会に出て実感するのは、「失敗をたくさん経験した人こそが生き残る」ということ。勉強で得られる知識は武器になりますが、未知の領域については、実際に経験しながら学ぶしかありません。




経営者も学び続けるべき

前置きが長くなりましたが、私は経営者も常に学び続けるべきだと考えています。

まずは読書。そして、トライアンドエラーを繰り返しながら経験を積むこと。この二つは非常に大切です。

「決算書の数字が読めない?」
それなら、まずは簿記3級を勉強してみてください!

知識がなければ、見える世界は変わりません。自分の力をつけなければ、目の前にあるものさえ正しく理解できないのです。


学ぶ姿勢を持つことの重要性

前安芸高田市市長の石丸伸司氏が、市の公聴会で市民からこんな意見を受けたそうです。

「改革を進めるのはいいが、我々のような頭の悪い年寄りにももっと分かりやすく説明してもらえないと、賛同できない」

これに対する石丸氏の回答はこうでした。

「これだけ分かりやすく説明しているのに、これ以上簡単に説明する必要を感じません。分からないなら、自分で勉強して理解する努力をしてください。市は、理解できない人の面倒を見る機関ではなく、正しいことを実行する組織です。」

(※正確な情報を知りたい方は、YouTubeなどで確認してください。)

私はこの考えに共感します。分からないことを聞くのは大切ですが、すべてを理解できるまで教える必要はない。学ぶ努力をするのは、習う側の義務でもあると思うのです。


本日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
また次回、お会いしましょう!