企業を支援していると、経営陣が「今のままで十分」と考えている場面にしばしば遭遇します。しかし、実は**「現状維持」こそが最も速く衰退を招く**ことをご存知でしょうか?


例えば、かつてレンタルビデオや書籍の大手企業がありました。レンタルビデオブームの頃は非常に儲かっていましたが、オンデマンドサービスの普及とともに売上が激減。しかし、新たなサービスへの参入には社内の反対もあり、経営陣の意識もアップデートされないまま、結果として市場の変化についていけずに衰退してしまいました。現在は新たな戦略で盛り返しているようですが、最盛期の勢いを取り戻すのは簡単ではありません。


このような事例からも分かるように、変化を恐れていると、時代の流れに取り残される可能性が高まります。


5年後、10年後を見据えた経営を


今、経営をされている方や、これから起業を考えている方にぜひ意識してほしいのは、「5年後、10年後にどんな企業になっていたいのか?」という明確なビジョンを持つことです。


「今の売上を維持できれば十分」と考えるのは悪いことではありません。しかし、その目標を本当に5年後も達成できるかどうかを考えれば、現状維持のままでよいとは言えないはずです。市場環境が変わることを前提に、常に事業のアップデートを意識することが、長期的な成長につながります。


税理士業界もアップデートが必要


例えば、税理士業界も変化が求められる分野の一つです。今後、会計ソフトが進化し、適正な税務申告が自動でできるようになれば、「税務処理」だけを仕事にする税理士の役割は縮小していく可能性があります。


さらに、法律に基づいた税務相談もAIが対応できる時代が来るかもしれません。そのような状況で生き残るには、税理士としての専門知識を活かしながら、企業ごとに最適な財務戦略を提案できる能力が求められます。


実際、決算書が赤字でも具体的なアドバイスをしない税理士の方を見かけることがあります。しかし、企業経営にとって本当に必要なのは、単なる税務処理ではなく、「財務分析をもとにした実践的なアドバイス」です。税理士に限らず、どの職種でも「今までのやり方」だけに固執せず、新たな付加価値を生み出すことが重要だと感じます。


変化を受け入れる「心の若さ」が鍵


「年齢を重ねると考えが固くなる」「若い人の方が柔軟だ」とよく言われますが、私は**「心の若さ」があるかどうか**がポイントだと考えています。


年齢に関係なく、新しい知識を学び、変化を受け入れ、自分をアップデートし続ける人こそが、時代の変化に適応できるのではないでしょうか?


今後の社会やビジネスの変化に対応するために、ぜひ「現状維持」ではなく、「未来を見据えたアップデート思考」を意識してみてください。


最後までお読みいただき、ありがとうございました!また次回の更新でお会いしましょう!