現在、元SMAPの中居正広さんに関する問題をきっかけに、フジテレビのガバナンスが大きく懸念されています。ただし、これは果たしてフジテレビだけの問題でしょうか?むしろ、日本の多くの企業が抱える根本的な課題が表面化した例なのではないかと感じています。フジテレビの対応が正当であったかどうかは今後の検証に委ねられるべきですが、現時点で伝わってくる話を聞く限り、戦前のような古い企業文化が色濃く残り、アップデートされないままの状態が問題の背景にあるように思えます。このような状況が今回の件で一気に注目を集めたのではないでしょうか。

 

 

しかし、この問題はフジテレビに限らず、日本のあらゆる企業に共通する課題です。パワハラ、セクハラ、コンプライアンスについては、研修などを通じて社員に教え込まれているはずですが、実際に本質的な理解が浸透しているとは到底思えません。特に私の世代である中間管理職は、いわゆる「昭和の指導」を否定しながらも、部下に媚びなければならないという矛盾に苦しんでいます。一方で、上の世代は口先では「ハラスメントはいけない」と言いながら、40代以下の世代には昭和感覚で接する。そして、40代以下の若い世代は、逆にハラスメントの問題を過度に主張しがちです。このように、組織内に統一されたガバナンスが存在していない企業が多いのが実情ではないでしょうか。

 

ハラスメントに対する理解を深めるためには、「他人事」ではなく「自分ごと」として捉えられるような研修が必要だと感じます。そのためには、役割を決めたシミュレーション型の研修を取り入れるべきです。実際の場面を再現し、そのときの感情や状況を実感することが重要だと思います。こうした体験を通じて、自分の意識を所属する世代の枠を超えてアップデートすることが求められます。

 

大手企業ほど、コンプライアンスやハラスメントの研修がオンラインで行われることが多いですが、それでは大半の社員が「やらされ感」で終わってしまい、心に響きません。コンプライアンスやハラスメントの研修は、リアルな場で行うことが重要であり、シミュレーション型のワークショップを実施すべきだと強く思います。

 

本日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。それでは、また次回お会いしましょう!