中小企業を支援していると良く見かける事象として事業計画なしで事業を行っていることです。「売上が下がっているんだよね」「売上が上がっているんだけど決算が赤字なんだよね」などというセリフが結構な頻度で社長から聞かれます。その際は聞き返すんです、「社長、何と比較して売上・利益が下がっているんですか?」と。そうすると直近の決算や感覚で下がっているとの回答が多いです。ここで「以前作成した事業計画と比較して○○%計画より売上が上がっていない」なんていうセリフが聞けると凄いワクワクしてきますが、現実はそうではないです。

 

事業計画は企業にとっての戦略にあたる部分ですよね。これがないと日々の戦いに注力する戦術になります。戦術は戦国時代の武将たちが隣国と争うなどの時には役立ちますが、長期的な計画がないため、信長や豊臣秀吉などのように天下統一なんて考えなかったんですよね、他の武将たちは。例えば、今川義元や武田信玄でさえ、上洛して権威を示すことくらいしか考えていなかったので、他の戦国の国々の大名は隣国を従えようとやっきになって戦術でしか対応していない状況が戦国時代です。信長の野望が大好きなので、戦国話になってしまいました、、、。因みに信長の野望って結構企業経営の勉強に良いかとおもいますよ。戦略・戦術・マネジメントが学べるかもです。話を戻しますね。事業計画という中・長期の計画がないと成長をとげることはできる企業はほとんどないと思います。その年の売上・利益だけを見ていては、自社を俯瞰できず、外部環境変化だけでなく、内部環境変化(従業員の高齢化、アナログ機器による陳腐化など)なども分析できないと思います。

 

事業計画は成長を大前提に5年、10年分をまずは作成してみましょう。まずは試しに5年後に売上2倍にしたベースで5年後の損益計算書を作るのが良いかもしれません。売上以外のところの原価は、製造原価であれば、前期決算の売上比率で出してみてください。細かいのは後で調整してみましょう。まずは製造原価を売上で割るんです。そして販管費も売上で割ってみてください。営業利益がでますよね。ですが、売上が上がったのに営業利益がそんなに上がっていない。当然です。人件費は売上比でそんなに上げる必要はないので、製造原価や販管費の人件費については基本給を大体年率5%(5年で25%は上がると思います)で計算し直してみてください。そうすると営業利益がものすごく上がっているはずです。他の項目などは今後の将来設計により変更する必要がありますが、まずはこれを作るところから始めてみましょう。

 

次にやることはその事業計画を作成しただけで終わらないことです。その事業計画を達成するために何をしなければならないのか?今は売上高2倍しか設定していないので、この売上高を2倍にするための詳細な計画をまずは作成してみるんです。「はぁ?売上なんか2倍できるわけないじゃん」って大体の社長は思うし、おっしゃりますが、今のままの売上維持は現状維持、衰退ですから、「できない理由なんていらないから、達成するためにどうするか考えましょうよ!」という言葉を言いたい!言いたいのですが、言葉をぐっと飲み込んで、「やれる方法はあるはずなので、一緒に考えましょう」とします。ひとつの手法としては既存事業の売上拡大策を考えるんですね。既存事業で案件を伸ばせないか?見積改訂で売価を改訂できないか?既存事業の流れで派生製品・サービスで売上拡大ができないか?これを社長1人で考えられる人はまずこのレベルで止まっていないと思うのですが、考えられない場合は従業員と打ち合わせて意見だししたり、経営コンサルタントを交えて話すなどが有効ですね。意外と既存事業伸びたりするんですよ。そのきっかけは大口取引先との話がきっかけになることが多いです。大口取引先に売価改訂や新規案件紹介などを聞くと意外とくれますよ。私の支援先でつぶれそうだった企業があるので、90%以上の売上依存している企業に泣きついてみなとアドバイスしたら、先3年の案件を発注してくれ、更に関連企業の案件もくれたりといきなり大逆転の黒字化を果たした企業がありますので、やる価値はあると思います。

 

経営コンサル系なので、話が長くなってしまいました、大変失礼しました。また、次回くらいに事業計画関連を上げていければと思います。ではまた会いましょう!