自己承認欲求ってご存じですか?
自分の能力や存在を他人や自分に認めてもらいたいという欲求で、心理学者マズローの「欲求階層説」で説明されているものです。詳しい理論はマズロー先生の本に譲りますが、自己承認欲求は「高度な人間が持つ欲求」とされています。日本人は文明的にも高度な社会を持つ人々ですから、きっと多くの方がこの欲求を感じたことがあるはずです。
簡単に言えば、何か成果を上げたときに「ほら見て!私ってすごいでしょう?私の能力、認めてよ!」という気持ちが出てきてしまう感情です。この欲求が原因で、私のサラリーマン時代にはいろいろな失敗を経験しました。でも今なら「もう一度サラリーマンをやれ」と言われたら、大企業の社長になれるかもしれません(笑)。なぜなら、この自己承認欲求を封じ込める方法を学び、冷静に事象を分析し、組織全体として何をすべきかを考える力を身につけたからです。それも、サラリーマン時代の失敗があったからこそ。
サラリーマン時代の失敗から学んだこと
私は新人時代、いわゆるブラックな環境で10年近く、3日3晩寝ない日々を送りました。当時は寝不足もあって、成果を上げるたびに「俺ってすごいだろう!」とイライラしながらも自己満足に浸っていました。そんな私を見捨てずに、いろいろ経験させてくれた当時の役員や上司には本当に感謝しています。これが自己承認欲求を強く感じた最初の経験でした。
その後、トントン拍子で昇進し、まさに有頂天。そんな中、会社で最も問題を抱える部署の中間管理職に抜擢されました。このときのエピソードは皆さんの参考になると思うので、別の記事でお話ししますね。
さて、自己承認欲求の話に戻ります。この部署では部下が頻繁にトラブルを起こしていました。上司(今でも腹が立つ上司です)から「解決しろ!」と言われた私は、自分で取引先に行き、次々とトラブルを解決しました。「へへん、余裕、俺ってすごいだろう!」と心の中でドヤ顔していました。
でも、この方法には大きな問題があったんです。
まず、部下に成長のチャンスを与えなかったこと。自分がすべて解決してしまうことで、部下は経験を積めず、成長できません。それに、部下を育てることや、彼らが何も考えずとも仕事が回る仕組みを作るのが本来のマネジメントの役割なのに、それを放棄してしまっていたんです。
振り返ってみると、現在支援している企業の多くのマネジメント層も同じことをしています。自己承認欲求を満たすために動くのは絶対にNG。 自己承認欲求を封じ込み、冷静に事実を分析し、組織のためにどう行動すべきかを考えることが、マネジメントには求められます。
最後にひと言
今日は少し長くなってしまったので、この辺で締めますね。自己承認欲求は誰にでもありますが、それをコントロールすることが組織をうまく回す秘訣です。社長だって例外ではありません。冷静な判断と分析を心がけていきましょう。
最後までお読みいただきありがとうございました。また次回お会いしましょう!