企業のコンサルに入るとよく直面するのが、社長が「できない理由」を並べて、こちらのアドバイスに全然取り掛からない問題です。「利益を上げるのに魔法のような一瞬の解決策はないので、地道にトライアンドエラーを繰り返す必要がありますよ」と伝えるのですが、なかなか行動に移さない。理由はさまざまですが、失敗が怖いとか、面倒くさいとか、いろいろあります。

失敗を恐れる日本特有の文化も一因かもしれませんが、人間の本能にも関係している気がします。というのも、人間は本能的に「現状維持」を求める生き物らしいんです。変化が嫌いで、これまでのやり方を続けたがるのはごく自然な反応というわけです。

 

ただし、経営の世界では現状維持は「衰退」の始まりに過ぎません。特に変化の激しい時代では、現状維持を続けた結果、競争力を失い会社全体が弱体化してしまうリスクが高いんです。だからこそ私は、助言を再三繰り返しても動かない社長には「コンサル契約を解除する」という選択を取る覚悟で臨んでいます。幸い、これまでその段階に至ったことはありませんが、それは正直、運が良かっただけかもしれません。

では、どうすれば前に進めるのか?

 

そこで問題です。「どうしたら前に進めるか」。答えは簡単で、 「できない理由を考えるのをやめて、どうやったらできるかだけに集中する」 ことです。できない理由を挙げたところで、問題解決には何も繋がりませんよね?やるべきなのは「どう解決するか」を考えること。失敗したら修正して再チャレンジすればいいだけです。

もちろん、「やり直せないくらいのダメージ」が発生するケースは慎重に考える必要がありますが、それは「リスク管理」の話です。できない理由を探すのとはまったく別の話。リスクがある場合は「どうリスクを抑えながら実現するか」を同時に考えるべきです。

結局のところ、現状維持の安心感にしがみついていては、経営の未来を切り開くことはできません。「どうしたらできるか」に全力を注ぐ姿勢こそが、会社の成長に繋がる鍵だと私は信じています。

 

本日も最後までお読みいただきありがとうございました!次回もまたお会いしましょう!