経営コンサルタントとして、人事分野にも精通していることは必要不可欠です。私も独自の人事制度導入のノウハウを持っていますが、現在は事業再生や新規事業に関するご相談をいただくことが多い状況です。
人事制度に関する相談は社労士の先生に任せる企業が多いようですが、実際には、制度の改定で大混乱が起きたり、従業員がメンタルを崩してしまったり、さらには大手コンサル企業の提案が結局使われずに放置されているケースも少なくありません。
今回ご紹介する本は、「社員をやる気にさせたければその人事給与制度をやめなさい 福田秀樹氏著」でう。画一的な一般人事制度の導入を強く否定し、企業規模や歴史に応じた独自の人事制度を導入することを推奨しています。そして、その具体的な方法を詳しく解説していました。内容は私が企業に提案する人事制度とも近いものでした。たとえば、従業員の給与を年収ベースで考え、ボーナスで調整することや、社員評価をA~D評価で行い、基本評価をBとする仕組みなど、従業員だけでなく会社全体を見据えた人事制度の設計が挙げられています。
さらに、人事制度改革は「大々的な改革」という旗を掲げるのではなく、「気づいたら変わっていた」という形で進めるべきだという考え方には、特に共感しました。経営陣にとって非常に実践的なアドバイスだと思います。内容が分かりやすく、人事制度について学びたい方にはおすすめの一冊です。Kindleでも読めるので、ぜひ手に取ってみてください。