なぜ同じ勉強をしているのに、成果が違うのか?
「あの人は○○高校に合格したのに、私は滑り止め…。なぜ?」
受験の時期にこんな悩みを抱えた経験はありませんか?私も高校受験に失敗した一人です。あの頃、この本に出会えていれば、結果は変わっていたかもしれません。

今回ご紹介するのは、石田勝紀さん著『同じ勉強をしていて、なぜ差がつくのか?』です。この本は子どもを持つ親だけでなく、サラリーマンや経営者にも役立つヒントが詰まった一冊です。


脳の使い方次第で成果が変わる

著者は、「勉強ができる人とそうでない人の差は“勉強時間”よりも“脳の使い方”にある」と指摘しています。勉強が得意な人は、日常生活の中でも「なぜ?」「どうして?」と考える習慣を持っているそうです。たとえば、何気ない出来事に疑問を持ち、解釈を試みることで脳を活性化させています。

一方で、そうした疑問を抱かず、単に目の前の課題に取り組むだけでは脳の成長は停滞してしまいます。こうした差が、長期的には大きな成果の違いを生むのです。


抽象化と具体化の力を伸ばす

勉強ができる人は「抽象化力」に優れているといいます。抽象化とは、個別の事象から全体像やテーマを把握する力です。これが身につくと、たとえば算数の応用問題に対して「この問題はあのテーマに関連する」と認識し、スムーズに具体的な解法へと落とし込むことができます。

一方で、勉強が苦手な人は、個々の問題をその場限りで捉えがちです。そのため、大テーマが見えず、似たような問題でも毎回一から考えることになり、効率が悪くなります。

本書では、この「抽象化力」や「具体化力」を鍛える方法として、日々の疑問を解消する問いかけや議論を勧めています。


10のマジックワードで思考力をアップ

本書には、思考力を鍛えるための「10のマジックワード」が紹介されています。これらを使えば、次のような力を伸ばすことができます:

  • 原因分析力
  • 自己表現力
  • 問題解決力
  • 仮説構築力
  • 抽象化思考力
  • 積極思考力

たとえば、「原因分析力」を引き出すには、子どもに「なんでだろう?」と問いかけるだけで効果があるそうです。「どうして車はアクセルを踏むと進むの?」といった簡単な疑問も、親が一緒に考えることで脳が活性化されます。


まとめ

『同じ勉強をしていて、なぜ差がつくのか?』は、脳の活性化や成長に必要な方法を分かりやすく解説した一冊です。大人も子どもも活用できる内容が詰まっており、薄いながらも内容が非常に濃いです。ぜひ手に取ってみてください!