みなさん、仕事をしていると「みんなが嫌がる案件」に出くわすこと、ありませんか?
たとえば、上司が頭を悩ませる顧客対応や、メールだけで済ませてしまいがちなやり取り、誰も稟議書を書かないために止まっている案件など。こうした案件、つい敬遠したくなる気持ちはわかりますが、実はそこにこそ成長のチャンスが隠されているのです。

私自身、サラリーマン時代に多くのこうした案件を任されることがありました。最初は「なんで自分が……」と思うこともありましたが、終わってみれば得た経験値の大きさに驚かされました。


挑戦しない環境が生むリスク

日本のサラリーマン社会では「減点主義」が根強いと言われます。入社時には100点を持っていて、失敗するたびに減点されるという考え方ですね。このため、挑戦せず失敗を避ける人が評価されることも少なくありません。実際、私が働いていた企業でもそういった風潮がありました。

けれど、その結果どうなるでしょうか?挑戦しない人たちばかりが残り、組織としての成長が止まってしまうリスクがあります。私が尊敬していた上司や先輩たちも、結局は起業したり外資系の経営陣として新天地に活躍の場を移しました。私自身も独立しましたが、彼らからは「やっぱりそうなったね」と納得されたほどです。


嫌がる案件を冷静に俯瞰してみる

みんなが嫌がる案件は、減点されそう、面倒だといった理由で敬遠されがちです。しかし、一歩引いて客観的に考えてみると、自分自身の責任ではない場合も多いのです。むしろ、前任者や組織の課題が積み重なった結果として発生しているケースが少なくありません。

例えば、私が経験した案件のひとつに、貨物の規定温度超過が原因で、5,000万円の損失が発生しかけたものがあります。この案件、担当していたのは私ではなく部長格の方でしたが、問題が膨らむ中で手が付けられなくなり、最終的に私が担当することになりました。


課題解決のプロセスから得たもの

この案件では、まず事実確認から始め、原因を突き止めました。物流会社のミスが発端でしたが、その責任だけを問うことは現実的ではありません。顧客との関係性や、物流会社との取引の全体像を考慮しながら、交渉を重ねました。

結果的に、物流会社が損失をカバーし、顧客には新たな材料を提供する形で問題を解決しました。また、将来的なトラブルを防ぐための仕組みも構築しました。この経験を通じて得たのは、問題解決のスキルだけでなく、関係者との信頼関係の築き方や交渉術といった、ビジネスパーソンとしての重要なスキルでした。


挑戦が未来を変える

嫌がる案件を積極的に引き受けることは、確かに大変です。けれど、その経験が自分自身の成長につながり、将来の選択肢を広げてくれると私は信じています。サラリーマンを続けるにしても、独立や起業を目指すにしても、これまでの経験値が自分を支える武器になるはずです。

最後までお読みいただきありがとうございました。今日から少しだけ視点を変えて、「みんなが嫌がる案件」にも挑戦してみませんか?それが、未来を切り開く第一歩になるかもしれません。

ではまた!