日本の政治家とビジネスジェットの関係

昨日、ディールに関する話を書いた後で、ふと思い出したことがあります。それは、日本の政治家がディールに弱い理由の一つが、実は日本の風土にある締め付けによる影響であるという点です。

ビジネスジェットとは?

皆さんはビジネスジェットについてご存じでしょうか? かつてITバブルの時期に、アメリカのガルフストリーム社製のビジネスジェットや、カナダのボンバルディア社製のものが話題になりました。日本ではホンダジェットも有名ですが、こちらはカテゴリーが異なるため、今回は触れません。

ガルフストリームやボンバルディアのビジネスジェットは、例えば成田⇔ニューヨーク間をノンストップで飛行できる優れた性能を持っています。専属のパイロットとキャビンアテンダントが搭乗し、ビジネスの要人の安全確保にも最適です。さらに、これらの機体は、商業便が運航できる空港以外の空港にも離発着できるため、米国のフォーブス500社の経営陣は、これを自社の移動手段として積極的に利用しています。実際、ガルフストリーム社はかつて米国大統領専用機を複数所有していたことでも有名です。

エアラインとビジネスジェットの違い

エアラインは、出発時間が決まっており、他人と一緒に乗る乗り合いバスのようなものです。一方、ビジネスジェットは、出発時間に柔軟性があり、旅程も自分の都合に合わせて設定できます。特に海外では、ビジネスジェットが空港に到着すると、リムジンが横付けされて、飛行機から降りてすぐに商談の場に向かうことも可能です。

アメリカでは、400以上の空港でビジネスジェットが通常に運行されており、出発を待っている光景も珍しくありません。

日本の政治家とビジネスジェット

では、なぜ日本の政治家はビジネスジェットを保有しないのでしょうか?その理由は、主に日本の風土に関係しています。例えば、相手が航空便の出発時間を知っている場合、ギリギリまで関係のない話をして、最後の最後に交渉の本筋に入ることがあります。このような状況では、日本側が十分に対応できず、交渉の主導権を握られることが多いのです。

一方、海外では、日本の政府要人がビジネスジェットを所有すべきだという意見もあります。政府専用機は存在しますが、あれは非常に大きな機体で、実務的にはあまり効率的ではありません。むしろ、7名程度の乗客を収容できるガルフストリームクラスの機体を使用することで、首相や大臣がより頻繁に海外に赴き、直接交渉できる環境を整える方が、日本にとっても有益だという考えが広まっています。

ビジネスジェットは贅沢品ではない

ビジネスジェットが贅沢品であるという考え方は誤解です。実際、ビジネスジェットは時間を最大限に活用する手段であり、フォーブス500社の経営陣が積極的に活用している理由もそこにあります。もちろん、ビジネスジェットの運航にはコストがかかりますが、それ以上に得られる付加価値を考えれば、十分に投資する価値のある資産だと言えます。

結論

日本におけるビジネスジェットへの理解不足が、政治家のディールに弱さを生んでいる一因かもしれません。ビジネスジェットをうまく活用することで、日本の政治家たちがより効率的に、そして効果的に外交を進めるためのインフラを整えるべきではないかと考えます。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

参考までに、ガルフストリーム社とボンバルディア社の公式ホームページのリンクを以下に記載します。

 

ガルフストリーム社HP

 

 

ボンバルディア社HP