私は、日本の企業の99.7%を占める中小企業がもっと成長することで、日本経済が再び強くなると信じています。アメリカの中小企業と比較すると、そのレベル感には大きな差があります。彼らは小型のビジネスジェット(プロペラ機ではなくジェット機)を所有し、西海岸から東海岸を自由に移動してビジネスを展開しています。アメリカでは、ビジネスジェットを「エアタクシー」として使いこなし、400を超える空港を活用して車を横付けしながら効率的にビジネスを進めています。もちろんインフラの違いもありますが、日本の中小企業にもこのようなスケール感を目指してほしいと考えています。

しかし、多くの中小企業の社長は、下請け気質から抜け出せず、中堅企業や大企業への成長意識が希薄です。支援しているとよくこう言われます。


「あなたは中小企業や零細企業の現実を分かっていないから、成長しろなんて言えるんだ」と。

私は言い返したいのです。「私はサラリーマン時代、スタートアップのような企業で働き、その企業が大企業に成長するプロセスを経験してきました」と。
それでも怯まずこう伝えます。
「社長、いつまで中小企業の感覚でビジネスを続けるつもりですか?中堅企業に成長する前提で物事を捉えなければ、現状維持どころか衰退してしまいます。」

この言葉でハッとされる社長や、一時的に沈黙する社長もいますが、その後は多くの場合、関係が深まり、支援が本格化します。そして結果的に成長軌道に乗せることができています。

 

では、中小企業が成長するために最も重要なものは何か?
それは、社長の「必ず企業を成長させる」という覚悟とビジョンです。

「ビジョンなんて言われても……」と思う方もいるかもしれません。しかし、中小企業の社長こそ、将来成長した企業の姿を明確にイメージしなければなりません。「あなたは中小企業や零細企業の現実が分かっていない」という言葉は、単なる慰めに過ぎず、成長の妨げになります。このマインドを変えることで、中小企業は成長軌道に乗り、日本経済を牽引する存在になれると私は確信しています。

 

「そんなことを言われても、意識改革なんて無理だ」と思う方も多いでしょう。確かに、顕在意識だけで意識を変えるのは難しいです。しかし、潜在意識を変えることで自然と現実も変わり、結果的に顕在意識も塗り替えられていきます。では、どうすればいいのでしょうか?

 

まず、以前の投稿でお話ししたように、自社の強みを徹底的に洗い出してください。この時、「価格が安い」という要素は除きます。このプロセスで、自社の本当の立ち位置を理解できます。
次に、5年後の売上を現在の最低2倍にする事業計画を立てることです。

 

「事業計画なんて作れない」と言われることも多いですが、本音を言えば、ぜひ自分で勉強して作ってほしいと思います。それでも難しい場合は、コンサルタントの力を借りてみてください。商工会や商工会議所に「経営革新計画を作りたい」と相談すれば、適切なコンサルタントを紹介してくれるでしょう。ただし、コンサルタントとの相性が合わない場合もありますが、まずは計画を作成するまで我慢してみてください。


5年事業計画の具体的な作り方については、別の記事で改めてお伝えしますね。ただ、最低限、簿記3級程度の知識は経営陣に身につけていただきたいと思います。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。次回の記事もお楽しみに!