先日の兵庫県知事選挙、投票率が55.65%というのは驚異的ではないでしょうか。それだけ県民の皆さんが注目していたという証拠ですね。斉藤知事はSNSを駆使し、若年層からの支持を集めたとのことで、石丸伸二さんの都知事選を彷彿とさせる印象を受けました。
一方で、彼が過去にパワハラを行い、それが原因で部下が命を落とすという悲劇が起きた件については、辞職に追い込まれた経緯もあり、事実関係をしっかり調査し、必要な対応を取るべきだと思います。この事実に向き合うことが、彼にとって政治家としての人生に重みと価値をもたらすでしょう。
斉藤知事の普段の言動(おそらくかなり尾ひれがついている部分もあると思いますが)を見ていると、この世代特有の特徴が浮かび上がるように感じます。世代で一括りにするのはあまり好きではありませんが、あえて言えば性質として以下のようなことがあるのではないでしょうか。
ちょうど40代後半から50代前半は、社会でパワハラという言葉が強く認識され始めた世代です。この世代の不幸なところは、上からは従来通りの厳しい指導が求められる一方で、下からは「褒める指導」や「叱らない対応」を期待されるという板挟みの状況に置かれている点です。さらに、若い世代は「パワハラを受けたら報告するように」と教育されているため、上司の指示や指導が命令口調になるだけでパワハラと捉えられることもあります。結果として、部下への対応が煩わしくなり、ただニコニコするだけの上司になりがちな世代でもあると思います。
この世代こそ、適切なマネジメントと研修をしっかり受け、部下を褒める方法だけでなく、正しい叱り方を学ぶべきです。褒め方が上手な人は多いですが、叱り方が間違っている人も多いのが現状です。「叱る」と「怒る」は全く異なります。「怒る」は感情をぶつけるものであり、自己都合です。一方、「叱る」は部下への指導やお願い、リクエストです。感情を抑えつつ、部下の成長のために何が必要か、これを実行することで部下や組織がどう成長するかを明確に伝えることが重要です。企業支援をしていると、行き過ぎた指導でメンタルを病んでしまう若い方々も多く見受けられます。そうした状況を防ぐためにも、部下を持つ上司こそ研修を受けるべきです。
斉藤知事は、改革を進めるにあたり保守派と戦わなければならない立場です。これほどまでに批判を受けながら再選されたのですから、パワハラ問題にはしっかり向き合いつつも、改革を断行してほしいと思います。私自身、仕事で地方の知事や県議と会う機会がありましたが、既得権に固執して威張る人が多い印象を受けました。地方行政の問題点を目の当たりにしてきたからこそ、斉藤知事や石丸伸二さんのような人たちは批判が多くても応援していきたいと考えています。
最後にもう一つ。現代は、大手メディアが伝える情報が真実なのか、SNSが伝える情報が真実なのか、判別が難しい時代になってきています。これは非常に危険な状況です。特に真面目で同調圧力に弱い日本人は、情報を鵜呑みにすることなく、まず疑う習慣を身につけるべきです。さもないと、第二次世界大戦中のような過ちを繰り返しかねません。一人ひとりが慎重に情報を扱うことが大切です。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。またお会いしましょう。