レストランやコンビニなどで声を荒げてクレームをする人が結構いるのではないかと思います。ビジネスの場面でも、大手メーカーの資材部の人が下請け企業に対して電話で怒鳴り散らしていたのを目の当たりにしたのは10年前のことなので、今はだいぶ変わってきているのではないでしょうか。

 

私はサラリーマン時代、商社で働いていました。主に海外メーカーや国内メーカーの下で働くような環境でした。そのため、会社の雰囲気としては、彼らの言うことを聞いて嫌われないようにすることに専念するスタイルが求められていました。しかし、私は入社当時から異端児でした。営業職として入社したのですが、学生時代の友人たちは、大笑いするか、「本気で早く異動すべき」と言ってくるくらい、人見知りで気遣いができるタイプではないと思われていました。

 

ですが、営業として働き始めた時点で、「人に媚びを売るような営業は自分には向いていない」という点については友人たちと共通の理解がありました。そこで、自分のスタイルを確立すべきだと考えた結果、たどり着いたのが「どんな相手も自分も同じ『人間』。出身会社や肩書が違っても、それを取れば人間同士なのだから、正面を向いて相手を尊敬(つまりリスペクト)しながら、はっきり主張する」というスタイルでした。

 

このスタイルに対して、取引先は最初、「なんだこいつ!言うことを聞かない奴だ!」と煙たがっていました。しかし、真摯に対応しつつ、落語が大好きな私は会話を盛り上げながら話していくうちに、お互いの枠を取り払って話せる関係をすべての取引先と築くことができました。このような関係が築けると、仕事がすべてうまく進むので、とても楽しいのです。

また、別の機会に詳しくお話ししますが、かつて会社同士が揉めて名刺すら交換してもらえなかった大企業の当時課長(現在は上級部長)の方が、こう言ってくださいました。「最初は貴社に対して『ビジネスは組織だ。誰が担当しようと貴社との取引は止める!』と息巻いていましたが、あなたが担当者になってから当社側も変わり、真にビジネスができるようになりました。やはりビジネスは、リスペクトできる人同士が作っていくものだと痛感しました。」


この言葉は、今でも私に強い信念を持たせるものとなっています。

ビジネスにおいて、リスペクトは大切、というよりも必須だと思います。本日も最後まで読んでいただきありがとうございました。それではまた次回お会いしましょう。