事業再生はかなり厳しい道のりなんですが、社長が決めた事項を守らず、その道のりが更に厳しくなることが結構あります。

 

最近起きた事象としては、従業員給与を暫定的に削減する際の約束違えです。支援している企業の一社は、債務超過に陥っており、更には毎月のキャッシュフローもマイナスで銀行借入ができないという厳しい状況でした。そこで社長に代わって銀行と交渉し、銀行社内資料の作成を手伝い、結果返済を3年猶予してもらえることになりました。それ以外にも削れるところを削って、あと少しでキャッシュフローがプラスになるところまでに持っていきました。

最終段階として、業績回復までは従業員給与をいくばくか引くように社長に申し入れました。その場合は同意書も貰ってくださいともアドバイスしました。その手続きの正当性については弁護士にも事前に相談済みでした。

 

いざ、懇意にしている幹部にその話をしたところ、給与削減なら辞める!と言い始めたので、どうしよう😨と社長が私に電話してきました。「社長、事業再生は社長の覚悟が成否を左右するんです。そんなことで一々ビビらないでください。辞めるやつは追わない、残る者を大切にして再生を果たしてください」と強くいいました。

 

しかしながら、給与削減に合意したという体だったのですが、翌月のキャッシュフロー表を見たら、な、なんとほとんど減っておらず。どうしました?と聞いたら、「給与が下がるなら辞める!と言ってきた従業員に、結局削減をせずに戻した」と言うのです。

 

えー!これはどうしたもんかと頭を抱えちゃいました。

銀行の返済や税金の延納などは、本来社内に痛みが伴う施策をしてから相談できるものなのですが、これでは各所との今後の調整に影響してきてしまいます。

 

経営再建、特に事業再生レベルのものは、社長の覚悟で成功するかが決まります。この企業については様々な事業再生のプロにも相談したのですが、そこの支援はお金も入らないし、民間コンサル会社がやるべき案件ではない!と捨て置かれている状況です。

うーん、しかし社長は、銀行に個人保証を入れているので、倒産したら身ぐるみ剥がされてしまいます。引き続き支援しないとなんですが、、、。

 

一度腹を決めたら覚悟を持ってやり抜くこと!事業再生にはこれが大切です!

 

本日も最後まで読んでいただきありがとうございました。ではまたまた。