顧問契約を締結しているお客様に同行して印刷機メーカーを訪問して、メーカーさんのプレゼンを受けてきました。全部で3時間休みなしで行われたのですが、内容がおもしろかったので、時間が過ぎるのを忘れてました。この印刷機はかなり巨大で高さが2メートルくらい、幅は仕様にもよるそうですけど、3メートルくらいはありました。オンデマンド印刷機で所謂カラープリンターです。従来はオフセット印刷機というものを使って、版画用の版みたいなのを作り(刷版)、これにインクを吹きかけて印刷していたみたいです(印刷業専門ではないので聞いた話です)。当時はカラープリンターで印刷するとインクの厚みで紙がヨレヨレになったりしてしまったようです。家のインクジェットプリンターとかまさにカラーで写真とか印刷するとヨレヨレでててきてしまいますよね。これがプロの工場でもオンデマンド印刷機で起こってしまい商品として使えなかったようですが、時代はかわりオンデマンド印刷機でもオフセット印刷機と遜色ないものが印刷できるようになったそうです。何よりもオンデマンド印刷機では版などが必要ないため、時間とコストが削減され、環境にもかなりやさしいそうです。
今回なぜこのようなお話をするかというと、メーカーの方がおっしゃっていた言葉に引っかかったからです。それは「印刷事業者様は原価の積み上げで見積もられるため薄利が当たり前の業界になってしまっている。しかし、原価ではなくその製品の付加価値で値段設定すべきであり、それにより利益率をあげて残っていくべきです」とメーカーの方がおっしゃってました。これは正に私がコンサルタントをする際に何度も企業の社長に伝えている言葉「製品、サービスはいいものを安くではなく、いいものを適正価格で売るべきです」という言葉とかぶったので、少々びっくりしました。因みにその時に例として出されたのが「さかなかるた」です。これは一印刷業者がコロナ禍で何かできないかと考えた結果、かるたの裏面を魚の表面を表したものにしてみようってことでできたらしく、今では第6弾くらいまででているそうです。私も実物をみせていただきましたが、これは面白い!お風呂でもつかえるそうなので、子供の勉強にも良いなと思いました。
日本は戦前よりいいものを安くというスローガンで高度経済成長を遂げましたが、いい加減自分らの製品・サービスの良さを認めて適正価格にしていくことで、国力をあげていきましょうと言っていきたいです。日本の製品・サービスはかなり品質の良いものです。先日中国産の洋服やぬいぐるみに使われる成分が肝臓にダメージを与える可能性があるとの報道がありましたが、日本では考えられないことです。日本の製品・サービスは世界でもぴか一なはず。なので日本の企業の99.7%を占める中小企業の社長には一度立ち止まって、自社の製品・サービスの強みを価格以外で見直してみてください。そうすることで適正価格の決め方が見えてくるはずです。
引き続き私は「良いものを適正価格で売りましょう!」という啓蒙は続けていきたいと思います。この適正価格まで売価を上げるということが、最終的には従業員の賃上げ1,500円という目標を短期で達成できる原動力になると信じて。
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