オリジナルの台湾映画の存在とか、韓国でもリメイクとの事を聞いて、
ストーリー的に面白いのかと、旧ジャニ系主役には抵抗有るものの、
近所のシネコンで観てみた.本年度累積154本目の鑑賞.
——————————————————
アイドルグループ「SixTONES」の京本大我と「偶然と想像」の古川琴音が
共演したラブストーリー.アジア圏で大ヒットを記録した2007年の同名
台湾映画を原案に、「かぐや様は告らせたい 天才たちの恋愛頭脳戦」の
河合勇人監督がメガホンをとった.
ピアノ留学から帰国して伝統ある音楽大学に編入した湊人は、過去の
トラウマのせいで思うようにピアノが弾けなくなってしまっていた.
そんなある日、湊人は、取り壊しが迫った旧講義棟の演奏室で、神秘的
なピアノを奏でる雪乃と出会う.美しい旋律に強くひかれた湊人は曲名を
尋ねるが、雪乃は秘密だという.
2人は自然とひかれ合い、湊人は雪乃の明るく純粋なピアノの演奏に
触れるうちに、再び音楽と向き合うことができるようになっていく.
かけがえのない日々を過ごす2人だったが、ある日突然、雪乃は湊人の前
から姿を消してしまう.
その他の出演に「鯨の骨」の横田真悠、「彼女が好きなものは」の三浦
りょう太、「ちはやふる」シリーズの坂口涼太郎.
以上は《映画.COM》から転載.
—————————————————————
なるほどこう来たかの感が大きい.やられた感もだ.ミステリー恋愛ものかと
思っていたが、予想外の展開であった.
タイムリープこそが本作の鍵となる仕掛け.そしてもう1つ、他の時間旅行もの
にはないユニークな設定が、タイムリーパーが最初に見た人にだけ自分の姿
が見える点.
本編中盤まで伏線は山のようにちりばめられているが明示されず、終盤で
秘密が明らかになり「実はあの場面では……」と回想シーンで答え合わせ
を見せつけられる.
冒頭、年季の入った校舎の中から、聞こえてくるピアノの音.
留学が上手く行かずに傷心の帰国の湊人:京本大我. 気持ちの整理が
なかなかつかずにいる気持ちで、校舎の下を通ると気になるピアノ曲の演奏が.
思わず校舎へと入り、演奏しているであろう階・教室を探す.と、音楽室に一人
の女性:古川琴音.彼女も音大生のようだ.誰だろう?
次の授業.教室に入ってくる彼女の姿を見かけた。
授業が終わり、すぐにその女性を追いかける.
女性の方も、湊人を意識しているかのようだ.
ある日、古い校舎の庭先にある椅子に座っている湊人.
そこに校舎の中から彼女が現れた.彼女から名前を訊かれる.
彼女の名前を訊いたが、教えてくれない.後に「雪乃」と教えてもらう.
そして、二人の付き合いが始まる.それはとても短いものであったが、
中身の濃いものであった….
湊人は徐々にピアノへの情熱を取り戻していく.京本大我のピアノを
弾く姿はなかなか同に入ったものであった.音自体はプロの演奏なのだが、
演奏シーンはさまになっていた.短い練習の成果は侮れない.
そして、学内のコンテストを勝ち抜き、お披露目のガラ・コンサートに
姿を消していた雪乃が現れる….
雪乃に合いたく何度も彼女の実家を訪ねるも、けんもほろろに追い返される.
ある日の訪問で、自らの名を告げたら母親:西田尚美が反応を示し、家に
入れてくれた.その雪乃の部屋で聞かされる驚愕の事実….
日本版では、現在と過去の出来事のフィードバックをよりシンプルにして、
SFジャンルにそれほど詳しくない観客でも理解しやすいように改変されているそう.
オリジナルの台湾版「言えない秘密」はもっと複雑で入り組んだストーリーらしい.
こりゃ、台湾版も観なくちゃね.
繫がる伏線、秘密のスコア“Secrets”の隠された力…なるほどと膝を打ってしまう.
京本と古川の生真面目で繊細な演技には感心させられたし、音楽に一生懸命に
なってサボり方もわからない二人が青春していく姿がすごく微笑ましかった.
とどめはエンドロールの主題歌.普段聴くこともないSixTONESの曲なのだが、
歌のフレーズが「ここに帰ってきて」と何度も繰り返され、主人公の気持ちの吐露
以外のないものでもなく、涙を誘われてしまった.最近涙腺弱いなぁ….
本作の監督が観客に向けて、作品に関わる大きな秘密を伏せているのだが、
その隠し方が、なかなか技ありで、泣かされてしまった.
ストーリーに大きな破綻なく、最後まで隠し通せたことが本作の魅力かも.
.