映画「ザ・ローブ THE HEROES HIGHT VOLTAGE」(DVD)…想定外の逆転! | チャコティの副長日誌

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主役になれない人生を送るおじさんの心の日記.
猫と映画、絵画、写真、音楽、そしてF1をこよなく愛する暇人.
しばし副長の心の彷徨にお付き合いを….



原題:Corrective Measures  製作年:2022年
製作国:アメリカ  上映時間:106分


レンタル屋新作棚からブルース・ウィリス主演のSF作品を借りだしてきた.
最晩年には多くの作品に出演しているのだが、その内の一つ.まだ元気に
演技しているようだが、座っているシーンが多い作品.
本年度累積93本目の鑑賞.
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人気グラフィックノベルをブルース・ウィリス出演で映画化したSFアクション.

世界中が「パルス」と呼ばれる災害に襲われ、数十億人が死亡した.
さらに遺伝子の突然変異により、特殊能力を持つ「超人」たちが誕生.
その力を恐れた政府は、超人に対する法を整備して彼らを取り締まるように.

軽犯罪で逮捕され超人専用の刑務所に送られたディエゴは、そこで
才能力者のザ・ローブと出会い、ある事件をきっかけに共闘することになる.

共演は「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」シリーズのマイケル・ルーカー.
ヒューマントラストシネマ渋谷&シネ・リーブル梅田で開催の「未体験ゾーン
の映画たち2023」上映作品.

以上は《映画.COM》から転載.
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「未体験ゾーン…」の作品だから、ある水準のB級映画だとは推定できた.
刑務所にいる犯罪者たちが超能力者で、それを封じられているという施設が
舞台.終始刑務所内の出来事だけので地味と言えば地味だ.

そこに共感能力を持つという青年が軽犯罪で刑務所に入ってきて過ごしていく
と言う内容.ブルースウィリスは人を操ることが出来る超能力をもっているらしく、
刑務所内でのボスの存在.

実質は、刑務所の“監督”のデヴリン:マイケル・ルーカーとザ・ローブ:ブルース・
ウィリスの二人の駆け引きと葛藤が主題であろうか.
刑務所内で犯罪者たちが、規制が外れて超能力を少し披露してくれるだけで、
SF映画とはとても思えない低予算ぶりが印象的.

 



設定が近未来のはずなのに、近未来感を欠片も感じない.せめて刑務所の内装や
刑務官の武器だけでも工夫が欲しいが、超能力バトルに警棒で対抗するだけと
いうのも、トホホで観ていられない.

最後は刑務所の電源リセットで、規制を復活させるという古典的な手段で一安着.
刑務所内には、刑務官と超人たちの死体がゴロゴロという有り様.



ブルース・ウィリスは終始刑務所内の牢獄で暮らすシーンばかり.監督デヴリンが
脅迫まがいで、巨額なザ・ローブの持ち金を奪取しようとする.ザ・ローブはぬらり
くらりとかわすばかり.監督デヴリンは定年引退日が迫りあせるが、その最終日に
監督はザ・ローブに口座振り込みを迫るが、ここで鮮やかなザ・ローブの返り討ち
に遭う….

監督デヴリンが定年を迎えるにあたり、後継者を誰にするかというサブテーマも
繰り広げられる.管理屋の女性と現場叩き上げの男性監房長.女性はやる気満々、
男性は乗り気なし.これを天秤に掛ける監督デヴリンもじらしまくりで不愉快極まりない.

ラストは、ザ・ローブ:ブルース・ウィリスのアイデアを感じさせる一本勝ちで、
すっきりするのだけど、それだけの作品の感有り.

原題はCorrective Measures、“適切な処置”とでもいうところか.
邦題は「ザ・ローブ」はまだ良いとしても、副題になぜ目茶苦茶な英題を追加
するのか??  配給会社のセンス無さと支離滅裂さがまたも露見している.