映画「君は放課後インソムニア」(DVD)…癒しの作品. | チャコティの副長日誌

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主役になれない人生を送るおじさんの心の日記.
猫と映画、絵画、写真、音楽、そしてF1をこよなく愛する暇人.
しばし副長の心の彷徨にお付き合いを….



製作年:2023年 製作国:日本 上映時間:113分



昨夏公開時には気付きもしなかった作品.レンタル屋の新作DVD棚
で見つけた.本年度累積56本目は、なんと石川県七尾市で撮られた
御当地映画作品.
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オジロマコトの同名コミックを実写映画化し、「ラストレター」の森七菜と
「MOTHER マザー」の奥平大兼が主演を務めた青春映画.

石川県七尾市.不眠症に悩む高校1年生の中見丸太(なかみ・がんた)は、
校内の使用されていない天文台でクラスメイトの曲伊咲(まがり・いさき)と
遭遇し、彼女も自分と同じ悩みを抱えていることを知る.

これまでほとんど話したことのない2人だったが、不眠症という秘密を共有
することで絆が芽生えはじめる.そんなある日、2人が仮眠場所として天文台
を勝手に使っていたことがバレてしまい、天文台は立ち入り禁止になってしまう.
伊咲の寂しそうな表情を見た丸太は、休部となっていた天文部を復活させる
ことを決意する.

共演は「マチネの終わりに」の桜井ユキ、「佐々木、イン、マイマイン」の
萩原みのり.「東南角部屋二階の女」の池田千尋監督がメガホンをとり、
「東京リベンジャーズ」シリーズの脚本家・高橋泉と池田監督が共同で
脚本を手がけた.

以上は《映画.COM》から転載.
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原作未読、アニメ未視聴.ちらりとアニメ版の画を観たら、本作の
キャスティングは成功しているように思えた.



題名の“インソムニア”とは不眠症のこと.
ふとしたきっかけで出逢った?不眠症同士の同級生中見丸太:

奥平大兼と曲伊咲:森七菜の恋の発展を描く、典型的アオハル映画.

特筆すべきは、ロケ地が石川県七尾市であること.そう石川地震で
莫大な被害を受けたあの七尾市であるのだ.
高校生の男女が天文部の撮影合宿で能登半島へ行くシーン.
真脇遺跡や見附島の風景が素晴らしい.ベースとなるである七尾市
の町並みもとても美しい.
 

 

この映画公開直後は聖地巡礼でけっこう観光客が訪れたそう….
くれぐれも今の状況は残念.

主役の奥平大兼がなかなかの好感触.観ていくうちに好きになる.
背も高くない、顔もごく普通.「MOTHERマザー」で見せたような
あざとい芝居は今回は見せない.ごくさり気なくどこにでもいる高校生で、
自分に自信がなくて、本当に普通の少年を演ずるのが好い.

ダブル主役の森七菜は安定の演技.24歳なれど十二分に高校生役を
演じきれる、外観と幼さを持ち合わせる.クラスメイトのキャスティングも
良く下校シーンや花火のシーンなど丁寧に撮られていて好印象.



後半は小道具、大道具の使い方も良い.二人だけの天文部.
学校の校舎の上に突き出した天体観測室の秘密基地感覚.
不眠症+放課後の部活?の相性の良さが心地良い.

後半は中見:奥平大兼は天文も含めた写真撮影にはまっていく.
昔父:萩原聖人に買ってもらったCanon の眼レフが大活躍する.

ふと自らも高校時代に小遣い貯めて買ったCanon AE-1を
思い出してしまった.思えばカメラ小僧だったなぁ.
まさかその後その会社に勤めるとは…(苦笑).

挿入写真はプロの仕事であろうが、素晴らしいものであった.
星空、真脇遺跡、夜の風景、そして森七菜の普段ショット.
どれも絵心の在る素敵な写真ばかりであった.

若い子向けの映画だけれど、かなり好印象で良かった.
この映画、観た後とても癒される.