映画「エア・フォース」(DVD観賞)…これはレアなヒコーキが見られる作品. | チャコティの副長日誌

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主役になれない人生を送るおじさんの心の日記.
猫と映画、絵画、写真、音楽、そしてF1をこよなく愛する暇人.
しばし副長の心の彷徨にお付き合いを….



原題:Air Force: The Movie - Selagi Bernyawa 製作年:2022年
製作国:マレーシア 上映時間:103分



レンタル屋の新作棚でも元気の良さそうな一品を選んでみた.たまには
頭空っぽで観られる戦闘モノを選んでみたら、なんとマレーシア製だった.
本年度累積215本目は空中戦と地上戦の混じった戦闘アクション作品.
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太平洋にあるナンブリ国では5年間に渡り北部と南部の勢力による内戦
が続いていた.4ヶ月の停戦宣言中に、マレーシアは特殊航空隊<PASKAU>
をナンブリに派遣し人道支援組織の護衛任務にあたらせていた.

しかし停戦は終了、それに伴い撤退を開始するのだが、傷を負った南部
過激派の兵士を偶然助けたことにより北部軍の怒りを買う.

撤退の為、輸送機で離陸すると地上からミサイル攻撃を受け被弾、
搭乗していたレジェン隊長率いる部隊は上空からパラシュートで降下するが、
そこは両勢力のぶつかる激戦地、この非常事態に、マレーシア空軍は
現地に救出部隊を向かわせる.

以上は《amazon》から転載.
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本作はマレーシア軍全面協力で作られているよう.マレーシア軍って東も西も
入り乱れての軍備なので、レアな飛行機やヘリコプターが続々登場してきて、
元?ヒコーキヲタクの副長としては狂喜乱舞してしまった.

最初にナンブリから脱出する輸送機がなんとレアなエアバスのA400.
左右反転する後退角の強い4発のプロペラが特徴的.このプロペラの
おかげで、高速から超低速までの速度範囲をもつ為、ジェット戦闘機
からヘリコプターまでの機上給油作業が可能な稀な輸送機.
この脱出機もちゃんと機首にでっかい給油プローブを備えていた.

このA400はフランス、イギリス、スペイン、イタリア、トルコ…の共同開発機.
後で調べたら、マレーシア軍はA400を5機保有してるんだね.
主人公が繰る戦闘爆撃機はロシア製のスフォーイSu30MKMだったりする.
機体はロシア製なのだけど、搭載している電子機器はフランス製だったりの
東西混合機種の感がある.
 

 

その他に、アメリカ製のF/A18Dスーパーホーネットの戦闘チームも現れるし、
主人公とドグファイトする仮想敵国機はMiG 29フルクラムだったりして、CG
ではない、実物を用いた映像には驚くと供に、狂気乱舞してしまった(笑).
 

 

マレーシア軍のおかしな軍備にため、貴重な作品になっている.

冒頭の輸送機A400は、ナンブリ南軍のSAM(地対空ミサイル)で撃ち落とされ、
命からがら脱出した生存者達を南軍過激派が追いかける地上戦シーンも
なかなか力が入っている.村人や子供を殺戮するシーンや遺体が散乱するシーン
などアジア映画ならではのリアルさが有り、見るに忍びないシーンも多々ある.

追われる緊張感に臨場感が有り、また、いつ殺されるか分からない恐怖感が
伝わってくるカメラワーク等なかなかマレーシア映画も侮れない.
マレーシア軍をあげての救出作戦のなか、追ってくる過激派と緊張感溢れる
シーンが連続する.

最後の戦闘機のスホーイ30とMig29のドッグファイトがトップガン・マーヴェリック
並みに良く出来ていた.戦闘機の下に設置する空中カメラポッドを開発して、
計8台で撮影したそう、迫力充分だった.

なによりも、こんなにスホーイ30が間近に観れる映画も珍しいと思うのだ.
映画ファンと言うよりも、ヒコーキヲタクの気持ちを十二分満足させてくれた一作.