映画「アルフィー(2004)」(DVD観賞)…若きジュード・ロウ大熱演! | チャコティの副長日誌

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猫と映画、絵画、写真、音楽、そしてF1をこよなく愛する暇人.
しばし副長の心の彷徨にお付き合いを….



原題:Alfie 製作年:2004年
製作国:アメリカ 上映時間:105分



映画音楽の雄バート・バカラックの訃報を聞いて、名曲「アルフィー」を想い出した.
レンタル屋でふと見た背表紙が「アルフィー」.さっそく借りだしてきたきたものの、
なんと2004年版で、音楽はミック・ジャガーだった.やっちまった(笑).
でも主役は大好きなジュード・ロウなので気を取り直して本年度累積45本目に観賞.
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マイケル・ケイン主演で1966年にヒットした同名コメディを、「クローサー」の
ジュード・ロウ主演でリメイク.都会の女性たちを相手に次々と恋を楽しむ英国人
プレイボーイのお気楽な独身生活を、コミカルかつシニカルに描く.

共演に、マリサ・トメイ、ジェーン・クラコウスキー、スーザン・サランドン.
新進女優シエナ・ミラーは本作での共演がきっかけで、ジュード・ロウと婚約した.

以上は《映画.COM》から転載.
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本作の音楽はアメリカ映画なのに、ミック・ジャガーが担当.「アルフィー」の
1966年版はイギリス映画なのに、なぜか音楽はソニー・ロリンズと不可思議な
設定.本作は2004年版なれど、バカラックに敬意を表してか、タイトル前に
1小節とラスト・チューンがちゃんとバカラック曲、ハル・デヴィッド詞の「アルフィー」
が演奏されて、これだけでもう大満足 ♪

中学時代に初めてLPレコードを買ったのが、映画音楽.フランシス・レイと
バート・バカラックのオムニバス・アルバムだった.それこそ擦り切れるほど
聴いたし、未だに自宅に保存している.バカラックの洗練された音楽性と
相棒だったハル・デヴィッドの詞の卓越したセンスが大好きだった.

バカラックの代表曲といえば、やはり「明日に向かって撃て」(1969)の
「雨にぬれても」とか「007カジノロワイヤル」(1967)の「恋の面影」
あたりだろうか.私はマイナーだけど「Alfie」や「Promise、Promises」が
大好き.去る2/8に老衰による自然死だったそう.了年94歳、合掌.

さて、本作は主人公アルフィー:ジュード・ロウがカメラに向かって心境を吐露
する私小説風スタイルの、恋愛映画と云うより、身勝手な男の生き方を憐れみ、
反省を促す男性映画.1966年版も主人公がマイケル・ケインで全く同じ内容.
 

 

 

 

アルフィー・エルキンス:ジュード・ロウは、極上の女性たちとの出会いを求めて
イギリスからNYにやってきたプレイボーイ.リムジンの運転手をしながらリッチな
人々をマンハッタンに連れて行き、ときには寂しい女性客とのメイク・ラブを楽しむ.

19年前のジュード・ロウがとにもかくにも若いっ! 髪もいっぱいあるし(笑)、
顔付きに少年のようなあどけなさもあって、もう魅力爆発の印象だ.
そんなジュード・ロウが、若い女性や、人妻、はたまた友人の恋人、そして
キャリア豊かなビジネス・ウーマン…と20代から50代までの女性たちの
お相手をせっせと務める姿は、微笑ましいを通り越して、滑稽でもある.
 

 

 

 

行動と結果が予測通り行かない現実を正視出来ない男の哀れさがあって面白い.
アルフィーを演じるジュード・ロウは役に嵌り、活き活きとして演じているのが印象的.
脚本的には女性との関係の深入りを拒み棄てる男が、寂しさに負けて女性に言い寄り、
今度は自分が棄てられて傷つくという至極当然のストーリーで分かり易い.
そんなジュード・ロウの独白のおちゃらけがいかにも効果的なのだ.

DVDの特別特典で、1966年版の映像や女性陣の姿が拝見できるのだが、
もうあまりにも古くさくて、見るに耐えない.2004年版を偶然ではあるが選んで
良かったと自らの幸運をたたえたい.

ラストのJoss Stone の“Alfie”は間違いなくバート.バカラックの曲で、
ハル.デヴィッドの詞だった.余韻に酔えたのは言うまでもない.