2021 F1 Rd-21 サウジアラビアGP | チャコティの副長日誌

チャコティの副長日誌

主役になれない人生を送るおじさんの心の日記.
猫と映画、絵画、写真、音楽、そしてF1をこよなく愛する暇人.
しばし副長の心の彷徨にお付き合いを….

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2021年のF1世界選手権もあと残り2戦のみ.第21戦はサウジアラビアGP.
首都リヤドに次ぐ第2の都市ジェッダに急きょ建設されたジェッダ市街地
サーキット(Jeddah Corniche Circuit)での開催.

2週間前のカタールと同じく、ジッダもF1初開催のサーキット.

コース自体がまだ完成したばかり、海岸沿いに広がるリゾート地である

コーニッシュエリアの道路を利用して作られた.

全長は6.174kmで、市街地サーキットとしてはカレンダー上で最長.
平均スピードもシミュレーションで時速250km以上と予想され、“スピードの
殿堂”として知られるモンツァに次いで今年2番目に速いコースとなる見込み.

コーナーは全部で27とカレンダー上で最も多い.そのため、タイヤは休むことなく
働き続けることになる.サーキットは全体的に非常に狭く、ウオールに囲まれて
いるため、ミスは決して許されない.セーフティカーの出動も多いかもしれない.
 


今季のラスト3戦はいずれもナイトレースとなっており、ジッダも現地時間
20時30分にスタートする.日本時間では月曜の02時30分スタートとなる.
このため、通常のレースとは路面温度の変化が異なり、各セッションの
終わりに向けて路面温度は下がっていく.

ピレリはジッダ市街地サーキットのために、中間レンジの3つのコンパウンドを
選んだ.白のハードがC2、黄色のミディアムがC3、赤のソフトがC4となる.
コース自体がまだ完成したばかりであり、頼れるデータは非常に少ない.
既存のデータとチームたちのシミュレーションから、中間レンジのコンパウンド
が最適とはじき出された.

数少ないデーター収集の為の金曜の2回のフリー走行では、いずれも
メルセデス勢がトップタイムを刻んだが、レッドブル・ホンダも頻差で続き、
土曜3回目のフリー走行ではレッドンブル・ホンダのM.フェルスタッペンが
一番タイムを刻んでいる.

土曜の予選は、やはりこの所高速がめっぽう早いメルセデスのL.ハミルトン
がポール・ポジションが獲得.2番手に同僚のV.ボッタス. レッドブル・ホンダの
M.フェルスタッペンが3番手.

以下にフェラーリのC.ルクレール、レッドブル・ホンダのS.ペレス、アルファタウリ
ホンダのP.ガスリー、マクラーレンのL.ノリス、アルファタウリ・ホンダの角田裕毅、
アルピーヌのE.オコン、アルファロメオのA.ジョビナッツの順番.


さて、決勝は気温28.6度、路面温度31.9度、湿度76.9%のドライコンディション.
全長6.174kmの長さゆえ決勝レースは50周で争われる.

スタートは無難にはじまり、上位陣の順位は変わらず.アルファタウリ・ホンダ勢が
出遅れて、ガスリーが8番手、角田は12番手と順位を落とす.

10周目にハースのミック・シューマッハがバリアに突っこみ自爆.セーフティカー
が導入される.マシンの半数はピットでタイヤ交換するが、なんとその3周後に
赤旗でレース中断してしまう.ハースの壊れた部品回収の為.

これで全車がタイヤ交換する事となった.本レースのスチュワードの迷判断の
はじまり.その後も数々の裁定を下し、レース混乱、波乱の一因となる.

15周目でリスタート、1番手のフェルスタッペンとハミルトンが並び1コーナー
へ飛び込む.後方で接触事故が起きて又も赤旗中断.レッドブルのペレス、
ウィリアムズのラッセル、ハースのマゼピンとミック・シューマッハがリタイヤ.

フェルスタッペンとハミルトンの1コーナの抜き方にスチュワードの裁定が
下り、フェルスタッペンはハミルトンの後ろからリスタートと決定.

リスタートの順番は、1番手にオコン、2番手にハミルトン、3番手にフェルスタッペン、
以下リカルド、ボッタス、ガスリー、ルクレール、ジョビナッツィ、サインツ、ヴェッテル
となった.

17周目のリスタート、1コーナーでフェルスタッペンがトップに.翌18周目に
オコンを抜いてハミルトンが2番手にあがる.以降フェルスタッペンとハミルトン
の接戦が続く.オコンは先頭の2台に離されておいてけぼり状態.

23周目、角田がヴェッテルと接触してフロントウィングを破損.イエローフラッグ
でバーチャルセーフティカーの導入.角田に対して5秒のペナルティ.
24周目にバーチャルセーフティカー解除されるが、ヴェッテルの破損部品で
またもイエローフラッグ、バーチャルセーフティカーの再導入….

28周目に解除されるが、またもターン10にデブリが発見され、またまた
イエローフラッグ、バーチャルセーフティカーの再々導入.
34周目に解除されるが、36周目にコース上にデブリが確認され、またまたまた
バーチャルセーフティカーの導入.これは直ぐに解除される.

この時点でトップはフェルスタッペン、1秒後にハミルトン.離れてオコン、
リカルド、ボッタスの順番.

37周目フェルスタッペンはコーナーのブレーキングが遅すぎコーナーを
ショートカット.38周目にチームからの指示でハミルトンにポジションを
譲ろうとしてスピードを落としたフェルスタッペンにハミルトンが追突.
フロントウィングを壊してしまう.これがまた審議対象となり、フェルスタッペン
には5秒のペナルティが科される.
 

 

 

 

その後もフェルスタッペンとハミルトンは抜きつ抜かれつを繰り返すが、
45周目にハミルトンはトップに立ち、以降はトップを守ってゴールイン.

2位にフェルスタッペン、5秒ペナルティを喰らっても2位はキープした.
3位に最終周のストレートでオコンを抜いたボッタスが入った.
オコンが4位、5位にマクラーレンのリカルド、6位にアルファタウリ・ホンダ
のガスリーが入賞.
 

 

波乱の決勝レース、終わってみればL.ハミルトンのポール・トゥ・ウィン.
今シーズン8勝目、サンパウロ、カタールに続く3連勝.
ファステストラップポイント1点も獲得してドライバーズポイントでも
首位M.フェルスタッペンに追い付いて同点となった.

市街地サーキット特有のコースの狭さ、迫り来るウォール.同じ市街地でも
モナコみたいな平均速度180km/hの低速ではなく、平均速度250km/h
の超高速サーキットだ.予想通り接触事故が多かった.

コースマーシャルの処置の悪さ、遅さとレース・スチュワードの判断の悪さ
は大混乱の一因であろう.初めてのF1サーキット運営だからという言い訳は
許されないと思う.来年のスケジュールにサウジは入っているのだろうか?
有るとするなら、鬼門のレースとなると思う.

コンストラクターズ選手権はメルセデス 587.5 P、レッドブルホンダ 559.5P.
ドライバーズ選手権はM.フェルスタッペンとL.ハミルトンが 369.5Pと同点.
最終戦での決定となる.

次戦は最終第22戦、アブダビGP ヤス・マリーナ・サーキットでの開催.
オーバーテイク出来るようにコース改修されたそう.
現時点ではメルセデス優位の感有り.さてどうなる??

最終戦は、1週間後の12月10日(金)からのフリー走行から始まる.