映画「THE INFORMER 三秒間の死角」 | チャコティの副長日誌

チャコティの副長日誌

主役になれない人生を送るおじさんの心の日記.
猫と映画、絵画、写真、音楽、そしてF1をこよなく愛する暇人.
しばし副長の心の彷徨にお付き合いを….



原題:The Informer 
制作年:2019年 制作国:イギリス/アメリカ/カナダ 上映時間:113分
 

 

土曜は父の介護の日、その前に日比谷シャンテで観たのは英国製サスペンスもの.
されど舞台はアメリカなのだ.本年累積207本目の鑑賞.

英国推理作家協会賞やスウェーデン最優秀犯罪小説賞などを受賞した
アンデシュ・ルースルンドとベリエ・ヘルストレムのベストセラー小説「三秒間の死角」を、
「スーサイド・スクワッド」「ロボコップ」のジョエル・キナマン、「ゴーン・ガール」の
ロザムンド・パイクの共演で映画化.

模範囚として刑務所で服役中だったピートは、自由の身と引き換えにFBIの情報屋
として極秘裏に捜査協力することに.そして、その最後の任務として麻薬組織への
潜入を任される.

ピートは組織のリーダーから刑務所内での麻薬取引を仕切るよう命令され、
競合組織を壊滅させたが、ピートの動きを嗅ぎまわっていたニューヨーク市警の
横やりによってFBIに裏切られ、FBI、マフィア、NY市警、囚人たち、すべての組織
から命を狙われる危機的状況におちいってしまう.

主人公ピート役をキナマン、FBI捜査官ウィルコックス役をパイクが演じるほか、
コモン、クライブ・オーウェンらが脇を固める.
監督は「エスコバル 楽園の掟」のアンドレア・ディ・ステファノ.

以上は《映画.COM》から転載.
————————————————————————————


警察サイドの人間と情報屋の関係は脆く、はかないもの.そう相場は決まっている.
使う者と使われる側にイーブンの立場は決してない.
そんな主従関係をジョエル・キナマンとロザムンド・パイクがクールに?演ずる.

ピート:ジョエル・キナマンには妻子がいて、そのことを思いやる気持ちをFBI捜査官
ウィルコック:ロザムンド・パイクは持ってはいるのだが、上司の無茶な命令で、
ピートを 見殺しにしろと言われ、悩む….が自分の立場も追い込まれ、見捨ててしまう.

自ら刑務所内に潜入したピートに味方は無く、FBI、マフィア、NY市警、そしてその
傘下にいる囚人たちに命を狙われる羽目に陥る.おわゆる絶体絶命のピンチだね.
一つの救いはFBIとNY市警の対立というか覇権争い.ここにスキが生じる.

かたや国家の安全を保障するFBI、かたやNY市民の安全を守るNY市警、目標が
麻薬を操るマフィアで、同一であることは間違いないのだが、その追いつめる手法、
やり方が著しく異なる.時に末端でぶつかり合うこともあるのだろう.

そんな死角を抜き出て、加害者感に悩むウィルコックとNY市警を味方につけて、
見事に刑務所を脱走してみせるピート.

ラストシーンでまだ家族に逢うことは出来ていないのだけど、ハーフ・ハッピーエンドか?
ハラハラドキドキはさせてくれる作品.
しかし、ジョエル・キナマンの全身タトゥーは受容しがたいなぁ(笑).