2003年9月30日。
日本出発。
空港までちえちゃんが送りに来てくれて天丼をおごってくれた。
バンコクで3h潰す。懐かしい。
インドの飛行機遅れる。
インド人のビジネスマンに話しかけられる。
関空まで友人が送りに来てくれ、出発の門出に天丼を奢ってくれた。
ちえちゃんは、日本語教師としてタイに2年在住していたので、過酷な経験をしているはずだが、それでも私のインド行きを酷く心配してくれていた。
「無事に帰って来てな。」
んな、大げさな…アフリカじゃあるまいし。
(まあ精神的には無事に帰って来れなかったわけだが)
4年前の、楽しかったタイ旅行を思い出す。
タイからはエアインディアでムンバイへ。
ムンバイイン、カトマンズアウトのチケットをHISで6万5千円で購入していた。
もうここからは戻れない。
インドに入国したら、ネパールのカトマンズに辿り着かないと日本に帰れないのだ。
インドは電車もよく遅れるというが、飛行機も遅れて来た。
エアインディアでは、隣の席にインド人のビジネスマンが乗っていて、軽く会話をかわした。
小綺麗なスーツ姿。飛行機に乗れるこの人は、インドではお金持ちなんだろう。
インド人の印象は良かった。まだこの時までは。
私はインドに呼ばれたのだろうか?
飛行機からの夜景を眺めながら考えていた。
仕事も恋愛も上手く行かず、投げやりな人生が嫌になりインドに来た。
そんな気持ちでインドを目指す人は、他にもいるんじゃないだろうか。
インドに行けば人生観が変わると言うが、私の中で何かが変わってくれるのだろうか。
この頃はLCCもなく、関空からの便はどれも夜到着だった。
初日が夜到着は怖かったが、これまでの旅人は皆乗り越えて来た道だ。
空港で日本人を見かけたら、声を掛けて、一緒にタクシーで市内まで行こう。
しかし、飛行機の中を見回しても日本人を見掛けない。
たまに欧米人は見るが、ほとんどがインド人。服装と顔の濃さでわかる。
だ、大丈夫かな、私…
ムンバイに到着。
21時到着の予定が22時を回っている。
イミグレーションに並ぶがやはり周りはインド人しかいない。
しかも前の人との間隔をあけてると、する〜っと順番を抜かしをして列に入ってくるインド人
順番抜かしは中国人だけかと思えば、お前らもか。
やっとイミグレーションの外に出た。
空港の外を見ると…
こっちを見ているびっしりインド人っ
ひーえーーー
怖い、怖すぎるっっ
皆タクシー運転手だろうか?今か今かと、必死で獲物を狙う目で見つめてきて、一歩外に出たらあっという間に取り囲まれそうな雰囲気だ。
すいません、すいません
怖いです、もう日本に帰ります。
空港から一歩も出ずUターンして帰国した人の話を「嘘つけ」とか思って聞いてたけど、あり得る、全然あり得る。
私も今すぐ帰ります、全然インドに呼ばれてなんかいませんっっ
…
あかん。私の帰りのチケット、ネパールからやった
どうする?!
周りに日本人はいない。
何人かベンチや床で寝ているインド人はいるが、目が覚めた時は全財産失っていそうだ(イメージ)
一緒に飛行機から出てきたインド人たちは、馴れた感じでどんどん空港から出て行き、人が少なくなってきた。
出るのが怖い。
インド初日。というかまだ空港。
私は早くもインドに来たことを激しく後悔していた…
※日本へ戻れるオープンチケットを持っていたら、本気でこの場で帰ろうと思っていました。