鬱になる人・鬱にさせる人。 | 幸と毒。

幸と毒。

毒のある人間が、思ったよりも多かった。

私が実家で暮らしていた時、父方の祖母もいた。


《祖母がいた》という表現は、どちらかと言うと微妙な感じで。


祖父母が建てた、祖父母だけが住むつもりで設計した家に、私達家族4人が引っ越した。




理由はよく分からんけど、母は「一緒に住んでやってる。」とよく言っていた。


小学1年生の時のこと。






孫の私でさえ、祖母に甘えることは無かった。


優しいおばあちゃんとは違うオーラに、よそよそしい態度で接していたのかもしれない。


だから、祖母もずっとよそよそしかった。




あまり笑わず、話さず、無表情か怒り顔かの祖母は、とにかく夜遅くまで起きていて昼近くまで寝ている生活だった。


母はそれを嫌がって、祖母の部屋の前でわざと大きな音を出したり、引き戸を開けて「いつまでも寝てムキー。」と起こしたりしていた。






祖母は、私たちと暮らし始めて鬱になった。


母は知らなかったようで、祖母の骨折の手術をする際の医師とのカウンセリングで知ったそうだ。




こっちが鬱になるくらいなのに、なんであいつが鬱なの?。なんでわたしなの?と怒り狂って大変だった。


心療内科医の報告書によると、母と上手くいかない・辛い・しんどいと書かれていたそうだ。






そもそも、全ての原因は同居を始めたこと。


祖母も父も母も、一緒に住まなければという世間体の為だけに、仲も良くないのに住むことを選んだ。


一緒に住まなければ、祖母は多分鬱になることも無く、母が《そこそこの毒親》程度でおさまり、私が母の犠牲になることも無く、弟が非行に走り家に帰らない・行方知れずになることも無く、父も《そこそこの無関心な父親》程度だったのではないかと思う。






ある読み物を見つけた。


私のように心根が弱くて、鬱になる要素を持った人もいるけど、人を鬱にさせる力を持っている人もいるんだって。


より身近な人を不幸にしてしまう、鬱にさせてしまうパワーを持った母。




母は、祖母のうつ病を詐病だと言った。


鬱になった私は、今だからわかる。


祖母は、完全に鬱だった。








祖母は気の毒だった、と今は思う。


私たちと同居せずに、自分のペースで生活したかったのに、世間体だけで同居を決断し、何にも楽しくて幸せな時間がなかったんだろう。


いつも、鬼のような顔をしていたから。






母のような人が、人を鬱にさせるパワー・毒を持った人も確実にいる。


血縁関係だろうが友人だろうが同僚だろうが、逃げるが勝ちです。


読み物を読んで、納得した。