コロナ禍直前の東京出張から続く日本暮らし。

言語や物事をはっきり言うとか、考え的にはアメリカが向いているけれど、暮らしやすさは日本だ。


食べ物は美味しいし、車無しでも生活出来る。

大都市なら電車やバスで好きな所に行ける。

医者にかかりやすさは、私には最高だと思う。

※社会人になってから複数の国で在住経験の個人的な感想。

そして、私の両親も今は日本住まい。

近くに両親が居るのは何よりも安心。

お互い自立してはいても、母は一番の親友。



先日のアメリカ出張で子供時代からの友人と久しぶりに会った。やり取りはまめにしていても彼女もあちこち移動が多い。ゆっくりはなすのは、数年ぶり。


よくその友達の家に遊びに行った。

邸宅が並ぶ住宅街。

とても良いご家族だ。




当時、アフリカ系の若い庭師が出入りしていた。

お父さんは、家で仕事の日、彼が来ていた。

作業が終わると彼が地下室の入り口からお父さんを訪問していた。チェスをして帰るのだ。



地下室のファミリールームで2人はチェスをやる。

地下室の出入り口から帰って行く。

チェスをする2人は真剣。友達のお母さんに2人の邪魔をしてはいけないと言われていたけれど、私達は、子供。2人のチェスを見守っていた。


今も友達の家はそこに有り、ご両親が住んでいる。

庭師の方は今も続け、チェスも続いている。


でも、随分前にチェスをする場所は、お父さんの書斎に変わったそうだ。そして正面玄関から出入りする。


子供の時、無邪気で気にしていなかった地下室でのチェス。

あの頃は、アフリカ系の庭師が正面玄関から入る事は、周りの目が許さなかったのだろう。友達の両親は、いつも玄関から招き入れたが、彼は脇の地下室の入口から入って行った。

地下室と言っても子供達が遊んだり、家族が映画を見たりする部屋が有り、とても広く整備されている。


あれから数十年。

庭師の息子さん、友達家族の援助も有り、優秀な大学で学んでいる。卒業したら、お父さんの為に会社を作りたいと言う。

優秀な息子さんは、大学で必要な費用をほとんど奨学金で払えている。残りの一部を友達の両親が今までのお父さんへの感謝と息子さんへの出資だとして援助を申し出た。


勤勉で有る事、学ぶ機会を与えられる事、いかに大事かと思う。そして信頼関係。


でも、その邸宅街には、今も白人系の家族しか住んでいない事は変わらない。