邦題 秘密と嘘と言う映画。


社会人何年目かでテレビで観た映画。

主人公に余りにイライラして映画の存在を忘れていた。

ロンドン滞在中、時差ボケで眠れず、テレビ放送でやっていたので観てみた。


あらすじ

幼くして母親が亡くなり、10代から働きだしたシンシア。父親や弟の世話もして来た。

そんなシンシアにいつもイライラしている娘ロクサーヌ。

こんなお母さんや家族、辛いだろうなと初めて観た時に思った。

そう言う人達が周りにいないから理解出来なかった。


カメラマンとして裕福な生活の弟モーリス夫婦。優しい弟。

そしてシンシアが若い時に生まれてすぐに養子に出したアフリカ系の娘ホーテンス。

ある時、ホーテンスがシンシアを探して訪ねて来る事から家族の不満や本音が表面化する。


前回見た時は、私は若かったし、イギリスのシンシアみたいな暮らしの人達を知らなかったから、とにかくイライラした。彼女の身なり、話し方、声、、、高校も途中でやめただろうか?父親が違う娘2人。

1人は、養子に出した。うーん、この女性の人生を考えてしまう。学歴も無い、スキルも無い。貧しい。男にだまされたりもあっただろう。

かたや、裕福な暮らしの弟夫婦。経済的に恵まれていても子供がいない。妻からしたら、あんな義姉には、子供がいるではないか!

皆、悩みや問題を抱えて生きている。そこに存在を忘れていたホーテンスが現れた事により、皆が抱えていたものが爆発する。それで良かったのだ。


いや、自分が産んだ子を忘れていたら、、、

酷い経験をして忘れたかったのか、

本当に忘れていたのか、、、


我が家は、イギリスにルーツを持つけれど、シンシアの様な生き様の人達を知らない。例え貧しかったとしても教育には、力を入れただろう。

イギリスは、今の時代も階級社会。交わる事が無い暮らしの人々はいるのだ。話す英語も違う。

でも、イギリスにおいてシンシアの様な人達の方がずっと多いのだと思う。

イギリスの飲酒可能年齢は若いし、タバコも吸う。学校も嫌ならやめてしまう。10代で妊娠、相手を変えてまた産むなんて結構有る話だと聞く。結婚離婚を繰り返す人も多いし、結婚せずに子供を持つ人も多い。

イギリスの街並み、綺麗な住宅街とは反対に本当に小さな家並みの地域が沢山有る。そんな小さな家に住む貧しいイギリス人は、多いのだ。


アメリカにも良く有る事だけど、貧しい負の連鎖から抜け出せない人達。シンシア、申し訳ないが、頭の良くない女性だ。でも、人は良い。

久しぶりにこの映画に触れ、以前観た時のシンシアへのイラつきは無くなり、同情の気持ちが生まれた。ただ、イギリスを知れば知るほど、シンシアの様な女性は、稀ではないのだとわかる。

でも、ホーテンスをきっかけに家族がわかり合える様になって良かった。

イギリス映画、イギリスの普通の人達を描いた映画が多い。どんよりした空の映像が多い。

これからのイギリスの季節、明るい時間も長いし、とても綺麗な季節も有るのに、、、