ドラマ「トッケビ」はキム・ウンスク作家の言葉選びがとてもステキで、思わず一言一言の意味を考えたくなるような感性的なセリフが満載。

 

まずは劇中何度も出てきた「愛の物理学」という詩について。

질량의 크기는 부피와 비례하지 않는다. 

質量の大きさは体積と比例しない。

 

제비꽃같이 조그마한 그 계집애가 

スミレのように小さいその少女が

 

꽃잎같이 하늘거리는 그 계집애가 

花びらのようにひらひら揺れるその少女が

 

지구보다 더 큰 질량으로 나를 끌어당긴다. 

地球よりもっと大きな質量で私を引き寄せる。

 

순간, 나는 뉴턴의 사과처럼 

瞬間、私はニュートンのりんごみたいに

 

사정없이 그녀에게로 굴러 떨어졌다.

容赦なく彼女の元に転がり落ちた。

 

쿵 소리를 내며, 쿵쿵 소리를 내며 

大きな音を立て、どくんどくんと音を立てて

 

심장이 하늘에서 땅까지 아찔한 진자운동을 계속하였다.

心臓が天から地まで振り子のように動き続けていた。

 

첫사랑이었다.

初恋だった。

 

 

恋に落ちる瞬間の情景が頭に浮かぶ素敵な詩ですよね。

 

この本は見開き1ページの左側に詩が印字されていて右側が空白なんだそうです。

空白の右側には自分の手で直接を書いてみようというコンセプトの本のようで、ウンタクも手書きしていましたよね。

おじさんの気持ちを代弁するかのような詩と綺麗な映像、まるで時が止まったかのような演出に心打たれたシーンです。

 

 

おじさんが自分の気持ちを表現する時は、いつも詩的で美しく、どこか寂し気。

ウンタクと最後の別れになるかもしれない、と思った時に気持ちを伝えるシーンでは、

너와 함께 한 시간 모두 눈부셨다.
君と過ごした時間 全てが眩しかった

날이 좋아서
天気がいい日も

날이 좋지 않아서
天気が良くない日も

날이 적당해서
適度な日も

모든 날이 좋았다.
全ての日が良かった

 

そして自分を死に導くウンタクを好きになってしまい、「生」を望むようになったおじさんはこう願います。

 

그렇게 백 년을 살아 어느 날
そうして100年を生きたある日

날이 적당한 어느 날
適度な天気のある日、

첫사랑이었다 고백할 수 있기를
初恋だったと告白できるよう

하늘의 허락을 구해본다.
天に赦しを請うてみる

 

温かく穏やかな映像とコン・ユの低く寂し気な声が相まって、トッケビおじさんの切なさや切実さが一層際立つ言葉たちでした。

コン・ユの「チョッサラニヨッタ(初恋だった)」というセリフがいつまでも耳から離れません…好き…

 

 

続いてココでも触れた、ドクファが神としてトッケビ・死神おじさんと対峙するシーン。

死にたいのに"神"が死なせてくれないと言うトッケビ、前世の記憶を消したのは"神"の意志だと言う死神に対して、

 

죽음을 탄원하기에 기회도 줬다. 

死を嘆願する機会も与えた。

 

헌데.., 왜 아직 살아있는것이지...? 

しかし、なぜまだ生きているのだ?

 

기억을 지운 적 없다.

記憶を消したこともない。

 

스스로 기억을 지우는 선택을 했을 뿐. 

自ら記憶を消す選択をしただけ。

 

그럼에도 신의 계획같기도, 실수같기도한가? 

それでも神の計画や失敗だと言うのか?

 

신은 그저 질문하는 자 일뿐, 

神はただ質問をするだけ、

 

운명은 내가 던지는 질문이다. 

運命は私が投じた質問だ。

 

답은, 그대들이 찾아라.

答えはお前たちが探せ。

 

死にたいと願っていたトッケビにはウンタク(唯一トッケビを死なせることができる)を与えたのにまだ生きているし、死神の前世の記憶がないのは自ら記憶を消すお茶を飲んだから。

今の自分を作っているのは神ではなく、他でもない自分。現状に不満があるのなら自らどうすべきかを探して選択していけ、ということ。

 

ふ、ふか~~~い

ドラマなのに深すぎる。。。何だか自分の人生を反省したくなるようなお言葉でした。神様ありがとうございます…

 

 

そして最後は、長年トッケビに仕えてきたユ会長が亡くなるシーン。

深く悲しむトッケビおじさんにウンタクは

「ユ会長が何度も振り返っているかも、気がかりな旦那様だって。」

 

그러니까 남은 사람은 또 열심히 살아야 돼요.

だから残された人はまた一生懸命に生きないと。

 

가끔 울게는 되지만 또 많이 웃고 또 씩씩하게.

たまに泣いたとしても またたくさん笑って逞しく。

 

그게 받은 사랑에 대한 예의예요.

それが貰った愛に対する礼儀よ。

 

また別の回でウンタクはこうも言っています。

죽음이 있어서 삶이 찬란하니까요.

死があるからこそ生きることが素晴らしいんですよ。

 

 

劇中一番胸に刺さった言葉でした。本当にそうだなーと思って。

ずっと悲しみで塞ぎ込んでいても亡くなった事実は変えられないから。たまに恋しくて涙しても、楽しかった思い出を忘れずに記憶して元気に過ごすことが一番の恩返しになるはず。

どんな時も感謝の気持ちを持って、逞しく生きていきたいものです。

 

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ドラマ見ている最中だと理解しきれない言葉も、よくよく考えてみるととっても心に響くメッセージばかりでした。

 

「人間には4度の生がある」という話も好きで。私は何度目なんだろう、なんてポエミーなことを考えてみたり。(影響されやすいタイプ)

 

キュンキュンして、泣いて笑って、ちょっと人生について考えさせられたり。最終的に「열심히 살아야지(一生懸命に生きなきゃ)!」という気持ちになるドラマ。

これはお気に入りドラマに仲間入りです!!最&高でした!!!

 

 

 

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