大学のバレーボール部のコーチだった人のことを。
沖縄の石垣島出身でね。
お名前は いかにもな沖縄の姓、容貌も一目で南国系を思うような方で。
The 沖縄って感じ。

弱小女子大のバレーボール部なのでね。
アルバイトのような位置づけで、他大学の学生さんにお願いしていたのです。

とはいえ、週に3-4日は練習があるわけで。
リーグ戦などの終わったときはもちろん。
練習試合、そして普通の練習の後でも、気分がいい時には
「飲みに行こうぜ」と、チームのみんなを誘ってくれるのです。
きっと、アルバイト代なんか、大赤字になってたんだろな。

「おまえの結婚式には、絶対に行くから、必ず呼べよ」
「呼ばなかったらな、全身金色のタイツ姿で、金屏風のまぎれてやる」
なんて言ってたね。

現役が6人しか居なかった部でして。
そう、一人でも怪我などで試合に出られないと、棄権せざるをえない。
授業の兼ね合いなどで、練習試合に出られない選手がいたりすると。
「三つ編みのカツラして、オレが出るから」って。
コーチの引退試合になるリーグ戦で、それなりに満足が行く成績が出たときには。
夜中に酔っぱらって車道に出て。
「もう、死んでもいいってくらい、うれしいな~」って叫んでね。
浮浪者のオジチャンに「『死んでもいい』なんて、絶対に言っちゃいけないことだ」って説教されて。
明け方の高田馬場の歩道に、全員で正座させられた。

沖縄の新聞社に就職したコーチを訪ねて、
チームの皆で遊びに行って朝まで飲み明かしたこともあった。
そんなある日。
交通事故で亡くなったと。
報道の仕事が忙しくて、居眠り運転だったとか。
20歳代後半。
あまりに早すぎる。
朝一番の新幹線で、みんなで沖縄にかけつけたことを忘れない。
あの日の、台風一過の青い空も。
あの人だったら、こんなふうに笑わせてくれそう、あんな風に叱られちゃいそうだな。
なんて思ったことも多かったけど、もう、あれから20年ちかく。
そうやって思い起こすことも少なくなってきちゃった。
結婚式のとき、金屏風をちゃんと準備したんだけどな。
金色のモジモジ君になって隠れてるんじゃないかと思ったんだけどな。
ふざけて、「テレビの台風レポートやりたいんだよ。雨合羽着て傘をオチョコにしてさ」って。
台風が近づいてくると、ついつい思い出しちゃいます。

なぜか当然のように、恋心を抱くこともなく。
男と女という壁を感じたことなんて、なかったな。
私はね、男女の友情ってあると思うんですよ。
って、今も 女性の友人よりも男性の友人のほうが多い気がするけど。
そんな しんみりなお夕飯。
手抜きで麺類にしようと思ったら、思いの外 お天婦羅の下ごしらえに手間取り。
途中でめんどくさくなってもうた。
■ 食前サラダ
■ 天婦羅盛り合わせ
竹輪の磯辺揚げ
牛蒡と人参のかき揚げ
鶏ささみの大葉揚げ
■ 讃岐うどん