コマネチ大学 #50
たけしのコマネチ大学数学科#50 2007/06/21 深夜OA
今回のテーマは、
「梅雨」
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
ん?今夜は科学をやるの?ッと思ったあなた、大丈夫です。安心してください。
今夜もしっかりと数学をしちゃいますよ。 (戸部アナ)
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
★はじめに
前回の記事に、竹内先生からコメントを頂きました。
(ありがとうございました!)
この記事を書いている時も、ちょっと緊張気味です。
竹内先生、今後ともよろしくお願いいたします。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
タカさんから・・
今夜は記念すべき50回記念の放送。
ここまで来るとは思わなかったでしょう、と訊かれた中村先生は、
「え~、そうですね」と、つれない返事!皆の笑いを誘う!
コマ大チームも、これまでコマネチフィールズ賞を3回とっているという。
ちなみに、
#9:「美術館定理」(2006年6月15日深夜OA) (全員)
#19:「ゲーム理論」(2006年8月24日深夜OA) (単独)
#25:「和算」(2006年11月2日深夜OA) (単独)
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
Q:
幅が30cmの板を2箇所折って雨どいを作ります。
どこで、どのように折り曲げると、雨を最も多量に流すことができるでしょうか?
先生の補足:
折った時にできる面積を、なるべく大きくすると言うこと。
コマ大の検証:
まずは、ホームセンターに行き、雨どいの形を見ることに。
丸と半円しかないが、雨どいを買ってきてみる。
ここで新兵器!「自由に折れる板」登場!
30cmの板に切れ目を1cmごとにいれて、どこでも自由に折れるようにした。
これを使って、任意に折り曲げて、実際に水を入れてそれを飲み、
体重の増減を測って調べることにした。
せっかくなので、東京23区の水道水を使って、飲み比べても見た。
まずは両サイド3cmずつ90度に折って、中野の水を入れて、アル北郷が試す。
水の味は?
「中野の水・・・桃園ハイツ・・」
「お前の家じゃないかよ!」
結果は77.4kg→78.2kg = 800g
ダンカンが挑戦。世田谷の水で、(形はV字型のよう)・・かなりの量で苦しそう。
結果は71.6kg→72.8kg = 1.2kg
お宮の松。足立区の水。(正方形に近い形)・・これもかなりキツイ。
結果は71.7kg→72.7kg = 1kg
その後、いろいろな形で試すが、1.2kgを超えるものがない。
ひたすら水を飲み、23区全ての水を飲み干した。 (前半はここまで)
せっかくなので、東京の美味しい水 Best3を発表
1位 江戸川区
2位 千代田区
3位 品川区
タカさんの決め文句は、
It's Math Time !!
中村先生のポイント:
実は答えは簡単なのだが、それが正しいかどうかの証明ができるかどうか・・
東大生は、式を書き出して解き始め・・
マス北野は半円の中に図形を書いて解き始める。
中村先生は、この半円を書いてみる方法は、大事だと語る。
コマ大による
”祝 50回 コマ大 何でも Best3”
*つらかったロケ
1位 水 (今回)
2位 米 (#12 『千』の数字にまつわる問題 2006年7月6日深夜OA)
3位 梅干 (#35 フラクタル 2007年2月1日深夜OA)
*人気キャラクター
1位 珍石館のオヤジ (#45 投影図 2007年5月17日深夜OA )
(秩父の石の神様、「秩父珍石館」の羽山正二館長)
2位 折り姫&折り神様 (#34 ペンタゴン 2007年1月25日深夜OA )
(おりがみ会館長・折り神様・小林一夫先生と、折り姫・湯浅信江先生)
3位 番組名を「コマチネ大学」と間違えた神主
*ダメキャラクター (全部、無法松なの?)
1位 ラート師匠 (無法松のこと #45 投影図 2007年5月17日深夜OA )
2位 ニック (保安官のニック(無法松)のこと?)
3位 無法松
*今後の夢
1位 戸部アナと喋りたい
2位 ポケット付きジャージの新調
3位 計算で一度は解くぞ!!
¥1,000 |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
A:
コマネチ大学生の解答
(フィルム後半)
もはや限界と思われたとき、〆さばアタルが飲むことはない、
単に測ればいいじゃないかと・・
と言うことで、考えた末にたどり着いた形は、
問題の答えとしては違うのだけれども、(二つ折りではない)
半円の雨どいに近い形が一番入ると・・
(図-1)
![コマネチ大学#50-1 (コマ大回答)](https://stat.ameba.jp/user_images/b3/dc/10024304672_s.gif?caw=800)
マス北野の解答
円が一番水が入るので、近い形といえば、ハニカム構造のような6角形だろう。
だからそれを半分にした形
始めは計算をした。
負の2次曲線の形になり、その最大値を求めればいいのだが、面倒だった。
(タカさんに、”ハニカム王子”と呼ばれ、まんざらでもないマス北野)
東大生の解答
左右対称になると考え、半分で考えた。
下の図のようにrとθを定めると、
半分の面積Sは、
S = ( 15 - r ) * r sinθ+ (1/2) r sinθ* r cosθ
これは r の2次関数なので、平方完成してグラフの最大となる r を求めた。
(テロップ平方完成:2次方程式を解くとき「~の2乗+定数」という形にする)
そして、出てきたrを使って式をθで微分してみた。
f'(θ) = sinθ(-1+2cosθ) これが0で最大なので、
cosθ= 1/2 よって、θ= 60°で極値。
θ= 60°をrの式に入れて、
r = 15 / ( 2-cos 60°) = 15 / ( 2 - 1/2 ) = 10
正解は、
マス北野、東大生!!!
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
美しい数学の世界 (先生の解説)
同じ周の長さで面積を最大にするのは、円であることが知られている。
(等周問題)
なので、できるだけ円に近い形にしたい。そこで、2箇所折るなら、
正6角形の半分の形が、たぶん最大なのだろうとわかる。
(これが答えなのだが・・・)
ただ、キチンと証明するには微分積分を使わなくてはならない。
と、いう事で、微分積分の話。
*微分積分
(微分積分のことを、”微かに分る、分った積り”と昔からよく言う。)
今回は「微分係数」を求めて行きます。
この微分係数は、元々曲線の接線の傾き。
言い換えれば、その瞬間瞬間の変化量と考えればよい。
(私も高校2年では、このように理解した覚えが・・)
<テロップ:微分積分、早わかり講座>
カーレースに例えて・・・
デッドヒートの中、時速300kmの加速で、ライバルを一瞬で追い抜いた。
実はこの瞬間の変化量である加速度が微分(微分係数)。
ちなみに積分は平均速度と考えてください。
(って、言っていたんだけど・・速度を微分すれば加速度だけど、
速度を積分すると距離だからなぁ・・それじゃイメージするのは辛いか・・
言っていることは分るんだけど、積分は、速度と距離の関係を
例にした方がよかったかも)
微分係数が分ると、関数がいつ最大になるかが分る。
例えばマス北野がダンカンさんにリンゴを投げたとする。
すると、それぞれの場所での傾きが、微分係数になっている。
一番高いところでは、その傾きはゼロ(平ら)になっているはず。
ゼロでなく、少しでも上を向いていると、そこは一番高いところではない。
次の瞬間にさらに上に行ってしまうからだ。
なので、微分係数がゼロになるところが最大値になっているという訳です。
(これは、グラフが上に凸に場合。下に凸なら最小値が求まる)
<テロップ:断面積>
図のようにxとθを定め、台形の面積の公式から断面積Sを求める。
S = ( 30 - 2x + x cosθ) * x sinθ
この式は、下のグラフのように表される。
<テロップ:偏微分>
偏微分で求めることもできる。
(偏微分とは、多変数の関数を一つの変数のほかは定数とみなして、
その変数で微分すること。)
xだけ着目して偏微分→∂S/∂x
θだけ着目して偏微分→∂S/∂θ
∂S/∂x =0 となるのは、x = 10cmのとき。
∂S/∂θ =0 となるのは、θ = 60°のとき。 と、求まる。
<ケプラー予想>
(ケプラー予想:3次元接吻数問題。単位球の細密充填問題)
この単位球の細密充填を平面で考えると、6つの円に囲まれながら
6角形に並ぶ円の集まりになる。この円と円の隙間を潰すと、
蜂の巣構造のハニカムの形になります。
つまり、周の長さが一定で面積が大きいと言うことだから。
言い換えれば同じ面積を囲むのに一番長さが短くて済むという事。
なので、蜂の巣構造は材料が一番少なくてすむ。
*余談
最近のサッカーゴールネットは、ハニカムの形に織り込まれている。
昔は正方形の格子だった。材料が少なくて済む。というよりは、
見た目がきれいなのが理由らしい。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
今週のフィールド賞:東大生チーム
キチンと微分を使ったので・・
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
★あとがき
いやぁ、緊張した・・
東大生の解答のところは、だいぶ端折ったからなぁ・・
ここはあまり突っ込まないで下さい。
次回は「ファニャーノ」、イタリアの数学者ファニャーノのことかな。
オイラーに刺激を与えた人らしい。
久しぶりに歴史を紐解く感じになるのだろうか。楽しみであります。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
講師:中村亨
(1963年生まれ。東京大学大学院理学系研究科数学専攻修了、理学修士。)
数学21世紀の7大難問 中村 亨
解答者:
マス北野
木村美紀(東京大学薬学部4年)
松江由紀子(東京大学農学部4年)
コマネチ大学生
2007/06/21 深夜OA
コマネチ大学の前回までの記事
http://ameblo.jp/chablis/theme-10002941350.html
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇