コマネチ大学 #35 | シャブリの気になったもの

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コマネチ大学#35  2007/02/01 深夜OA

たけしのコマネチ大学数学科#35

今回のテーマは、

「フラクタル」


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フランスの数学者、プノワ・マンデルプロ(1924~)が考えた、幾何学の概念です。

自然界や人体にもフラクタルがあるという事なんですが、いったい、
どういうことなのでしょうか。(戸部アナ)


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◆はじめに、番組からお知らせがあった。

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◆竹内先生から、「フラクタル」の説明。


「フラクタル」というのは、破片・分割の意味のラテン語からの造語。
一つの例として、ロマネンコというイタリアの野菜(ブロッコリーとカリフラワーを
掛け合わせたもの)を紹介する。この形が今日の問題のヒントになる。


コマネチ#36-1(ロマネスコ・イタリアの野菜)
ロマネンコ


するとマス北野は、
本当は、Takeshi'sの映画をとる前に、本当は「フラクタル」というタイトルだったと
明かす。以前(入院時だと思う)マンデルプロの綺麗な絵に凝っていたという。

(コマ大の本の中にも、この逸話は紹介されていている。フラクタルのように、
夢を見ている自分が起きると、それが夢で、また目が覚めるとそれがまた同じ夢で
と永遠に続き、全体的に一つの夢になっているような映画を撮りたいと書いている。
このことは、番組最後でもマス北野自身から語られた。)



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Q: 問題

以下の規則性に従って白玉と赤玉を64段まで並べるとき、
必要な赤玉は何個でしょうか
「規則」
1.1段目には白玉を置く。
2.2段目以降、両端には白玉を置く。
3.3段目以降、斜め上2個が同じ色なら赤玉を、違うなら白玉を置く

(下図をクリックすると拡大します)


コマネチ#36-2(問題)


先生からのヒント:白玉に注目する


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A:各チームの解答

コマネチ大学生の解答
実際に並べてみた。
白玉の代わりに、節分の豆を、赤玉の代わりに梅干を、と思ったら大きさが
合わないので、梅干を食べて、種を使うことに。あまりに膨大な赤玉の数に、
最後のほうは、プロデューサーはじめスタッフ全員で梅干を食べて何とか完成。
約3時間後、みんなで恵方巻(梅干入り)を食べて終了。
答えは:1351個
(実際の出来上がりを見てマス北野は「間違ってるなぁ・・」と意味深発言。)


マス北野の解答
上から4,8,16段目で白玉が横一列に並ぶことがわかった。「フラクタル」だから、
同じ図形が出てくると考えた。9段目から下向きの逆三角形が白玉で囲まれた
赤玉であるし、その脇に来る三角形は、最初の三角形と同じ形。
だから、それが下まで続くと考えて・・でも逆三角形の赤玉を少なく見積もった・・
つまり、1辺が8の三角形を1つの単位と考え、その中に9個ある赤玉を計算
していったのですが・・
ということで、
本人曰くハズレの答え:1031個
(下図をクリックすると拡大します)


コマネチ#36-3(マス1)


東大生の解答
考え方はこうであった。
1.1辺が16の三角形を1つの単位と考えた。
2.1辺が16の三角形は、64段までだと、全部で9個あった。
3.赤玉が多いと判断して、全体の数から白玉の数を引いて求めた。
全体は、64 x 65 / 2 = 2080
8段までは 27の白玉で、27 x 3 x 9セット = 729(白玉の数)
赤玉は、2080 - 729 = 1351

答え:1351個で、コマ大チームと同じ答え。

(下図をクリックすると拡大します)


コマネチ#36-4(東大)


正解は、1351個  コマ大と東大生チームが正解である。


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◆先生の解説



コマネチ#36-5(竹内1)

上図(クリックすると大きくなります)参照してください。

今回の問題には、あるパターンが!白玉が横に並ぶ段に注目すると、
それは、1,2,4,8,16,32,64段目である。
表のように見ていくと、白玉は、2の倍数段のところで、3の倍数になっている
ことに気づく。赤玉から計算すると大変なので、全体から白玉を引く。
すると64段目は、白玉729個、全体が2080個なので、引き算して
1351個
と簡単に答えが求まる。



もう一つ、面白い関係性があるものを紹介。
(下図参照:クリックすると大きくなります)
パスカルの三角形 (説明は、
コマネチ大学 #32 SP 解答3  参照)を使う。
パスカルの三角形の偶数の部分が今回の赤玉に相当する。
数えるのは大変だが、面白い関連性だ。


コマネチ#36-6(竹内2)


出来上がったこの図形には
「ジェルビンスキーのギャスケット」という名前がついている。
(下図参照:クリックすると大きくなります)


コマネチ#36-7(竹内3)


これは、「自己相似」といって、ある部分をとってくると、そこと形が同じ部分が
あるということ。つまり、自分の中に、自分の相似形を持っている、
自分の中に、自分の小さいものを持っている、ということ。
こういうものは、自然界に多く存在することが知られている。

(先生のあげた例は、雲、海岸線、血管、木の枝、宇宙の銀河の構造であった。
 図の中に、雪の結晶とシダの葉の写真を入れておいた。フラクタルでしょ!)
(ギャスケット:内部にいくつもの穴の開いた幾何学図形
 エンジンをいじった事のある人は、ガスケットという部品で知っていると思う。)

(ウヤツワフ・ジェルビンスキー(1882~1969)ポーランドの数学者)


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応用解説・「フラクタル次元」(非整数次元)


ふつう次元は、整数で表わされるが、(1次元、2次元、3次元と・・)
フラクタル図形の場合は次元が整数ではない。
「ジェルビンスキーのギャスケット」の場合は、計算すると
 1.585次元を持った図形という事になる。

(下図参照:クリックすると大きくなります)


コマネチ#36-8(竹内4)

つまり、直線と平面の間ということ。
ベッタリ塗られた平面から抜かれていった図形であるので、
直線よりは広がりを持つが、でも平面まではいってはいない、というイメージ。



つまり、
自然界は、実はそういう数学によって支配されている

とも言える、と先生は締めくくった。



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今週のフィールド賞:東大生チーム
きちんと説明できていました。


おまけ:
最近、所ジョージさんがこの番組を見ていて、問題を解いていると、
いつの間にか朝になっていて寝不足ぎみ、と酒の席で愚痴られた。
とマス北野が語る。


講師:竹内薫
(科学作家 東大理学部物理学科卒)



解答者:
マス北野
木村美紀(東京大学薬学部3年)
松江由紀子(東京大学農学部3年)
コマネチ大学生


2007/02/01深夜OA



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