【後編】呪われたオーディション会場からの脱出  | ★★狩りは真夜中(でした)★★

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Monster Hunterや懐かしいゲームの記事多め
っていうか90年代とピザが好き

※最後もやはり多少ネタバレ含みます

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ふとサカナを見る。


女性三人とPが大健闘する中、本日まだノーヒットのサカナ。 


卑しくも、これは人間のサガと言えるだろう。
人は自分と対等かそれより下にいるものを見て安堵する。



 
(へへっ…どうやら今日はサカナと仲良くすることになりそうだ♪)
 
 
そうこうしてるうちに、履歴書が完成し一つのワードが導き出された。
 
 
そのワードを鍵にし、おれ達は次なるステージ『ダンス審査』に進んだ。
 
 
 
「?」を挟み奇妙に羅列された数字と、笑顔で踊るアイドル。
この二つを組み合わせて次なるステージへの鍵を手に入れるらしい。
 
 
早速みんな解析に取り掛かる。
 
 
謎解き狼ことおれはと言うと、すでに戦意を喪失していた。
サカナと一緒に【観客】になろうとしていた。


って言うか、ただ単にすねていた。
 
 
女性A「何だろう!この踊りの中にヒントがあるんだよねきっと!!」
 
女性B「やばい全然わかんない」
 
女性C「残り時間どれくらいなんだろう…」
 
P「うぅーん…」
 
サカナ「…」
 
おれ(ついに行き詰まったか。すまんがおれとサカナは観客として脱出を見守るよ)
 
サカナ「とりあえず数字のとこは分かったけど…」
 
P「マジで?!」
 
女性A「えぇ?!」
 
女性B「ほんとですか?!」
 
女性C「!!!!」
 
おれ「…」
 
サカナ「ここ、5じゃないですか?ほら、こことここ足して…」
 
P「おお!ほんとだ!ってことは…!!」
 
女性B「すごいすごい!!!」
 
おれ「…」
 

会場の近くにスタバが無くて本当に良かった。
 
もしあったら何も言わずにダークモカフラペチーノ(チョコチップ多め)を飲みに行ったきり帰って来なかったに違いない。







 
 
(おれ以外の)みんなの大健闘で最後の問題まで進んだ。しかし残り時間ギリギリ…最終問題の答えが導き出せない。
 
 
何かのタイミングで全員でバンザイすればいいことは分かったがそのタイミングが分からない…。
 
 
もう残り時間は1分を切った!!
 
 
女性A「もう終了と同時に全員でバンザイしましょう!!」
 
 
確かにこれ以外ない。
 
 
真剣に訴える眼差しに、彼女のこのゲームに対する並々ならぬ
情熱(パッション)をビリビリ感じた。
 
 

 





何に対してのバンザイなのか分からない約一名を含めて
時間終了と同時に全員でバンザイをした。
 
 


 

(どうだ!?これで正解か!?)
 





…が、何も起きない。
 
 
全員が落胆の表情を浮かべた…。


どうやらおれ達(正確にはおれ以外)が導き出した答えは違ったようだ。
 
 

(脱出失敗か…。でもみんなよく頑張ったよ。ここまで解き明かせたなら胸を張っていい!!笑って帰ろう!!)

 
 
続いて、司会者による問題の答え合わせが開始された…。


(バンザイのタイミングは一体いつだったのか?)


最早、おれ達が知りたいのはその一点である。


しかしそのタイミングは説明されないまま、答え合わせが終わりかける中、その瞬間は突然訪れた。



司会者「脱出成功したみなさん、本当に…」



司会者が言い終えてから1秒もなかったのだから本当にすごい。おれ達がコンマ何秒で脱出への細い糸を握ったか、スローモーション再生したいくらいだ。文字では時間の感覚が伝わらないのが本当に残念でならない…。

司会者「おめでとうございま「バンザーーーーイ!!」

「バンザーーーーイ!!!」「バンザーーーーイ!!!」「バンザーーーーイ!!!」

なんと、最後の最後、司会者が「おめでとうございます」を叫び終わる刹那、後方の他テーブルが一斉にバンザイをしたのだ!!!

なんとバンザイのタイミングは
今この瞬間だった!!!!

そのバンザイから本当にコンマ数秒後

女性A「バンザーーイ!!!」
女性B「バンザーーイ!!!」
女性C「バンザーーイ!!!」

虚を突かれたとは言え何という反応の速さ!!!!脱出への細い細い糸の一瞬の煌めきを彼女達は見逃さなかった!!!!


「便乗した感」は若干あったものの、驚くべき速度で滑り込んだのだ!!発車寸前の脱出への最終列車に!!


引っ張られる犬のようにそれに続く我らぷち同窓会メンバー

サカナ「バ、バンザーーイ!!」
P「バンザイ!!」
おれ「バンザイ!?」


司会者「そう!今手を挙げたチームこそ本当の脱出成功チームです!!!!!!本当におめでとうございます!!!!!」


なるほど!そういうことか!わかるかよそんなの!そんな叫びとも唸りともつかぬ歓喜落胆入り混じった声が会場を埋め尽くす!!!


万雷の拍手!!

歓喜の声!!

称賛の眼差し!!


司会者「本当におめでとうございます!!!」

ハイタッチし狂喜する女性三人


アメイジング!!アッメイジングッ!!!なんと初参加にして、いきなりおれ達は脱出に成功したのだ!!!!!!!








豪雨のような音の中、おれ達の便乗感を見抜いたスタッフの一人が隠れるようにおれの横へ来て耳打ちして来た。



「本当に正解分かってました?」



おれは親指を立てて言ってやった






「余裕っすよ」













もうリアル脱出ゲームには二度と参加しないだろう。