GPS狂騒曲⑤-1 | 長女Aは、夢を見る。

長女Aは、夢を見る。

長女A(満50歳)
父と同居を始めてみた。

大学生の息子×2
父の愛犬
ワタシの愛猫

楽しいことばかりじゃないと
重々考えてのことだったけど

想定以上の毎日に
もう笑うしかないわけで。

いや、ほんとは泣いて怒ってばかりだけどさ。

 

 

 

 

 

 晴天だったのに

今、外は荒れ狂う風

 

 

こんな春の日は毎年

この詩を想う

 

 

 

 

 

春の暴風雨(あらし)の   その夜中

 

二人の嬰児(みどりご)生まれたり

 

同じ海辺のその里に

 

一人は広き別荘に

 

一人は狭き賎が家に

 

 

 

ここで麻倉未稀『RUNAWAY』(1985)

原曲はボン・ジョヴィ『Runaway』

ナレーションは芥川隆行

 

 

 

 

 

 

泣いてばかりいれば

見失うはずよ

ほんとうに大切な人が

誰かを

物申す

 

 

 

 

 

突然の

大好きなTBS大映名作ドラマ『乳姉妹』のOP

ご紹介でしたにっこり

(毎年春はワタシの頭の中も狂騒曲らしい)

 

 

 

 

 

 

 

認知症の父との日々を書いています

現在、要介護1認定の父(77)との日々

 

認知症?と気づく少し前からのこと

レビー小体型認知症と診断を受けたあとのこと

今の日常のどーでもいいこと

 

書くことで

何かが変えられたらいいな、って

思ってるんでしょうね、ワタシは。
 

 

 

 

 

 

 

そしていろいろあった10月末の週明け。

ワタシたちは平日の父にどう過ごしてもらうか

話し合ったはずだが

結論としては差し当たって

「自宅でひとり(ある程度徘徊は覚悟)」か

「会社での監視見守りを強化」するかしかない。

 

 

しかしこの月曜は、父が自ら

「会社に行きたい。絶対おとなしくしてる」

と言ったと

弟③とのLINEのやり取りが残っている。

 

 

警察にお世話になることが続き

父自身はその後ずっと落ち着いていて

反省を口にしていた。

デイサービスのことも(途中帰宅)

真面目な顔で「謝ってもう一回行けんか」凝視

このことについては次に書くデイサービスの記事にて。

 

 

 

 

だが

「絶対」の誓いはあっさり破られた。

 

 

 

夕方までお互い、なんとか頑張った。

この日は何度か

出ていこうとした父を

弟①が会社を出た歩道まで追いかけ

 

腕をつかんで戻す姿を二階の窓から見ていた。

 

ふたりとも険しい顔をしていた。

父はそのたびにうなだれて諦めた顔をする。

 

 

明らかに前週と様相が違っていた…

こんなに人は一日の間で

別人のように表情が入れ替わるのか、と

愕然とした覚えがある。

 

 

それまで何度もGPSを発動したとしても

数日でこの変化。

 

 

月曜の勤務時間だけで

ワタシたちは相当疲れていたとは思う。

業務も月末〆で煩雑、いつもより多い。

父も朝からの時間の経過とともに

駆り立てられるような気持ちが

増幅していったのかもしれない。

 

 

あと一時間我慢すれば、という時間帯

 

 

 

父がワタシたちの隙をついて

出ていった。

脇が甘すぎるだろう、と言われても仕方がない。

 

 

 

今回はスマホを席に置いていった。

 

 

 

気づいてすぐにワタシが車を出す。

靴に潜ませているGPSは

感度が悪いなりに

またもや東へ一直線のルートを指示していた。

 

 

通りに沿って進んでいたので

すぐに捕まるだろうと高を括っていた。

 

 

追いかけているうちに見えてきたのは

 

 

「今日は進行方向の赤信号を待つことができず

横の青信号を渡っているのでは」

ということ。

 

 

精神状態が悪いのは見てとれていたので

 

 

もっと気を配るべきだった。

 

 

ことごとく交差点で都度曲り、

感度の悪いGPSの表示時差も相まって

いつまでも父の姿は追えない。

 

 

確実にこの道を少し前に歩いているのに

次に表示される位置(更新ボタンを押し続けてやっと)が

予想してないところなのだ。

 

 

会社の弟①と連絡を取りながら

位置情報も送りながら

時間だけが過ぎていく。

もうあたりは真っ暗。

 

 

ワタシたちの気持ちはこれまでになく暗かった。

父はもっとだったに違いない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

GPSの画面が予想していなかった

こちら地方のビッグターミナル

JR、私鉄、地下鉄が乗り入れる

総合駅エリアに移っていく…………

 

 

この周辺を

歩いている人を車で追うのは相当厳しい。

車道は広く

車の交通量も激しいからだ。

ワタシは総合駅から少し外れた車が停められる場所で

GPSを見つめながら

予想を立てるしかなかった。

 

 

繁華街の大きなビルの前で

窓から道行くひとを見ていると

こんな時間(17:30すぎ)に

大きな乳母車に4人も5人も乗った

小さい子どもと

その後ろに手を繋いだ子どもたちを連れて

保育士らしき方たちが広い歩道を歩いている。

 

保育園のお散歩の風景だ。

 

それが目を引くのは

 

この賑やかでもうすぐ帰宅ラッシュという

人通りの立地と

夕方を過ぎた時間帯だったから。

 

 

一行はとても楽しそうに見えた。

 

 

そして、驚いたのが

びっしり並ぶ背の高い商業ビルのひとつの

大きなガラスの自動ドアの前で止まり

そこに入っていったこと。

 

 

この交通立地ならではの保育施設の需要があるんだ

と今更ながら目の当たりにしたのだった。

主にこの子たちの母親の

毎日や葛藤に思わず思いをめぐらせ

自分のあの頃に……

 

 

 

…………というね

 

 

 

現実逃避を一瞬するしかないくらい

この日のワタシたちは途方に暮れていた。

 

 

今回こそは短い文章に

簡潔にまとめるんだ!って書き出したんだけど

 

 

 

タイトルだけでわかるわね

 

 

 

無理みたいで

ごめんなさい

 

 

つづきます昇天