老人施設に勤めている私は、沢山のお年寄りと話をします。

まだ身体が動く方は施設内の方とサークル活動されたりと、人と接する事があります。

しかし、身体が思うように動かなくなってしまった方は、自室から出る事はほぼありません。

話す相手といえば、居室配膳をする私たち、安否確認に行く介護さんくらい。

そういう方々は、心の中ではさみしいのです。

私は居室配膳以外にも、居室清掃に行っています。

一枠、45分間です。

だいたいの居室で言われるのが、「掃除はいいから、お話ししましょう」です。

お話しというか、聞いて欲しい、なんですね。

傾聴ですね。

だから、掃除をしてからお話しをさせていただきます。

中にはコーヒーを淹れてくださる方もいます。

本来は禁止事項なんだけどね💦でも、何もかも規則通りというのもねぇ…人対人なんですからねぇ。


思い出話しを聞かせてもらった中で、びっくりしたのは…

「20歳の頃に恋愛をしたけど親に引き離されて、そのあと妊娠してるのに気づいて子供を産んだんだけど、生まれてすぐに親が何処かに里子にだした」という話し。

「会いたいですか?」と聞いたら「会いたいとか思わないし、なんの感情もない」と言われました。


先日その方が亡くなられたんです。

もうお身寄りなしだから、私たち施設側が部屋の片付けをしました。

ほとんど捨てるので、バサバサとやっていてふと小さな小さな箱が目につきました。なんだろうか?と見たら…臍の緒でした。

あんな事言って…何十年もこうして大切にしていたんじゃないのか?と思ったら、泣けてきました。

その方の真意はわかりません。

捨てるに捨てられず、なのかもしれません。

後悔や懺悔の気持ちも少なからずあったんじゃないか?と。

だから、それ以来ずっと独身を貫いて来たのではないか、と。


長い長い人生、色々あるのですね。

他の方からも色々とお話しを聞いて、本当に色々あるなぁと思うのです。



今日は雪が降りました。