「水を買うならこれ」と、いつも当たり前のように手にとっていたサントリーの天然水。地元ではずっと『南アルプス』が当たり前だと思い込んでいた。
ところがある日、ひと口飲んで「あれ?なんだかいつもと味が違うような…」と、ふと違和感を覚えた。気になってボトルのラベルを凝視してみると、そこに書かれていたのは、見慣れた文字ではなく『北アルプス』の文字。
驚いて近所のスーパーやコンビニを何軒か回ってみたけれど、どこを見ても棚に並んでいるのは『北アルプス』ばかり。調べてみると、供給の安定化や災害時のリスク分散のために、別の水源の水が流通することはよくあるらしい。なるほど、今の地元の流通は『北』がメインになっているのか。
絶対に『南』じゃなきゃダメというわけではないけれど、「思い込み」とは恐ろしいものだ。と同時に、その変化にちゃんと気づけた自分の味覚も、なかなかに大したものだと少し誇らしくなった。
…が、ここでさらに調べていくうちに、衝撃の事実が次々と発覚する。
まず、この『北アルプス天然水』、発売されたのはなんと2021年だという。
ということは、私は一体いつから『北』を飲んでいたのだろう。もしかして、足かけ数年モノの間、全く気づかずに「やっぱり南アルプスの水は最高だな」なんて思いながら喉を潤していたのだろうか…。
さらに調べて画像を検索してみると、天然水には「南アルプス」「阿蘇」「奥大山」「北アルプス」の4種類もあることが分かった。
しかし、4本並んだ写真を見比べてみても、ボトルの形も爽やかな青いラベルも驚くほどそっくり。これでは数年間気づかなかったとしても、むしろ仕方のないレベルだ(と、自分に言い聞かせる)。
そういえば、昔はテレビから「南アルプス天然水〜♪」というお馴染みのメロディが流れていた気がするが、そういえば現在のCMでは特定の採水地を言わず、一括して「サントリー天然水」とだけ銘打っている。全国どこでも同じクオリティの水を安定して届けるための、企業側のブランド戦略なのだろう。
「よく違いに気づけたものだ」と自負した直後の、この数年越しの時間差大オチ。私の味覚が鋭いのか、それともただの鈍感なのか、いよいよ怪しくなってきた。
まぁ、何はともあれ、今度もし機会があれば、『南』と『北』を同時に並べて、正真正銘のガチンコ飲み比べをしてみたいものだ。