最近の慢性疲労症候群に関する米国の動き(2) | 「慢性疲労症候群(ME/CFS)」と「制度の谷間」界隈の備忘録

「慢性疲労症候群(ME/CFS)」と「制度の谷間」界隈の備忘録

慢性疲労症候群(ME/CFS)・線維筋痛症(FM)患者で、電動車椅子ユーザー。医師診断PS値8ですが、感覚的には「7寄りの8」。
Twitterでの、情報共有に限界を感じ、暫定的にブログを立ち上げました。

更新できる気はあまりしないので、不要になったら閉鎖するかもしれません。

前回のブログの続きです。
http://ameblo.jp/cfs-tanima/entry-12160438709.html

昨年あたりから続いてきた、アメリカでの慢性疲労症候群(筋痛性能脊髄炎/全身性労作不耐疾患)の国を挙げての取り組みへの一連の発表。

今年2月には、CDC(アメリカ疾病予防管理センター)開催の「グランドラウンド(病例検討会)」という大きな場において、これまでの調査結果、そして今後の研究について、かなり具体的な面も含めて報告されました。

CDC(アメリカ疾病予防管理センター)とは、アメリカ連邦政府の内閣機関、保健福祉省(HHS)の主要下部組織の一つです。「疾病、傷害、および障害の防止と管理により、健康と生活の質の向上を図ること」ことを目的としており、その発表はアメリカ以外の国にも大きな影響を与えます。

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CDC Public Health Grand Rounds
Chronic Fatigue Syndrome: Advancing Research and Clinical Education

2016年2月16日 CDC 公衆衛生グラウドラウンドセッション(病例検討会)
慢性疲労症候群:研究の進展と臨床教育


https://www.cdc.gov/grand-rounds/pp/2016/20160216-chronic-fatigue.html

https://www.cdc.gov/grand-rounds/pp/2016/20160216-presentation-chronic-fatigue-H.pdf (※pdf注意)

https://www.youtube.com/watch?v=0SnJy5AOSd8
※上記サイト、pdf、YouTubeリンクは、共にCDCの公式ページです。

病例検討会の冒頭ページでも、IOMの発表と同様に、慢性疲労症候群(CFS/ME/SEID)について、「壊滅的な障害」と述べられました

(冒頭文訳)
“慢性疲労症候群(筋痛性脳脊髄炎、全身労作不耐性疾患)については、医師や科学者たちはまだその原因を発見していない。

感染症や他の医学的、生物学的事象は、多くのトリガーの一つでありうるが、この病気の確実な原因と言えるものがないため、この病気を診断することは困難である。慢性的な症状を抱えた人々を評価するための、新しい診断基準と組み合わせた体系的なアプローチは、より正確かつ迅速な診断への希望を提供するものである。

慢性疲労症候群は、壊滅的な障害である。この病気についてわかっていないことも多いが、私たちが確かに知っているのは、慢性疲労症候群の患者が苦しんでいるということだ。患者は極度の疲労だけでなく、たいてい他の多くの症状~思考障害や不眠症など~を経験する。この状態は数年の間続きうるものであり、および慢性疲労症候群を有する者は、しばしば、働くこと、日常の活動に参加すること、または学校に通うことができない


我々臨床医、疫学者、研究者の専門家パネルは、
慢性疲労症候群の診断基準、診断方法と治療方法の変遷
公衆衛生コミュニティが、どのようにこの複雑な疾患の知識と理解を改善し続けるうるか
を論じる。”

その上で、下記4つのプレゼンテーションが行われました。

1)チャールズ ラップ医師 (p.2-p.15)
ハンター-ホプキンス センター診療部長
「慢性疲労症候群の臨床症状」
http://ameblo.jp/cfs-tanima/entry-12163343428.html
https://youtu.be/0SnJy5AOSd8?t=4m21s

2)エリザベス R. アンガー博士 (p.16-p.31)
CDC 新興・人畜共通感染症センター(NCEZID) 甚大病原体情報・病理学(DHCPP) 慢性感染症部門 部長 (※組織名正式日本語訳未確認)
「慢性疲労症候群への公衆衛生的アプローチ」
https://youtu.be/0SnJy5AOSd8?t=17m45s
http://ameblo.jp/cfs-tanima/entry-12165786754.html

3)アンソニー L. コマロフ医師(p.32-p.44)
ハーバード メディカルスクール シムコックス-クリフォード-ヒグビー 教授
ブリガム アンド ウィメンズ病院 主任内科医
「IOMリポート及びNIH “Pathways to Prebention(予防への道)”からの学び」
https://youtu.be/0SnJy5AOSd8?t=31m10s

4)アヴァンドラ ナス医師 (p.45-p.54)
国立神経疾患・脳卒中研究所(NINDS) 神経系感染セクション部長
「感染後慢性疲労症候群:NIHの所内研究より」
https://youtu.be/0SnJy5AOSd8?t=42m39s
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各報告を全文訳するのは、労力的に困難なので、
次記事以降で、主要な情報のみピックアップしていきたいと思います。