4月から新社会人のみなさん、おめでとう
希望の会社に入社できて、来週からの社会人生活に期待と不安でいっぱいのことだろう
ところで、アリとキリギリスの話は知っているだろうか
アリたちは食料を蓄えるためにコツコツ働き、キリギリスはバイオリンを弾き、歌を歌って夏を過ごし、やがて冬になって、キリギリスは飢え死んでしまうというイソップ寓話
キリギリスじゃ生きていけないが、アリのような生き方でもつまらない
アリギリス的な生き方をしたいものだ
それには、まず初めに人生におけるお金、金融を活用する術を知ることだ
欧米人は、学生のころから金融リテラシーについて学んでいるが、日本ではそのお金に関する教育が遅れている
現在の日本の問題は、少子高齢化
高齢化…というよりも現実的には、すでに超高齢社会だ
明らかに親の世代や祖父母の時代と違うのは、老後の年金では老後生活は成り立たないということ
キリギリス的な生き方では、人生の冬、老後は生きていけない
かといって、アリのようにコツコツと貯金するだけの人生もつまらない
少しずつ金融リテラシーを学ぶことが大切だ
そこで今日は、新社会人になった皆さんには、学生とはちがって会社の福利厚生制度というものがあるので紹介したい
間接給与ともいわれ、会社が従業員のためにコストをかけているため、最大限に活用したいものだ
福利厚生制度には法律で決められている制度のほかに、会社が従業員の生活援助のために行う法定外のものもある
法定福利厚生制度には健康保険、介護保険、厚生年金保険、雇用保険、労働者災害補償保険、児童手当、障害者雇用、災害補償があり費用は会社が全部または一部を負担している
一方、法定外の福利厚生は会社の考えによって内容が異なり、従業員を大切にしている会社ほど内容が充実している
主な法定外の福利厚生制度としては、住宅手当、家賃補助、社宅・独身寮、がん検診、
法定の育児・介護休業への上積み、慶弔・災害見舞金、保養所などの余暇施設、資格取得や自己啓発の支援、社員食堂など様々ある
特に法定外のものには、任意で従業員が利用できる金融関連の福利厚生制度があるので、ぜひ利用してほしい
○社内預金
社内預金制度は、企業が社員の給与の一部を天引きして
預金を管理する仕組みで、労働基準法で最低金利が定められおり一般の定期預金等と比べて高い水準にある
銀行等で積み立てるより有利だ
〇従業員持ち株会
従業員持株会は給与や賞与から定額ずつ天引きされ、そのつど自社株を購入していくもの
自分の頑張りで会社業績が伸びれば株価も上がるためモチベーションにつながるし、知らず知らずのうちに大きな財産となることもある
○財形貯蓄制度
目的別に、一般財形貯蓄、財形年金貯蓄、財形住宅貯蓄がある
給与から天引きされ目的に合った引き出しをする場合は税制上のメリットがある
(最近は金利水準が低くなっており活用する人は少ない)
○団体生命保険・団体障害保険
個人が任意で保険料を拠出する団体保険のメリットは保険料が安いこと
その企業や団体の規模や年齢構成によっても異なるため一概に言えないが、大手の保険会社に個人で加入するのと比べ50%程度安くなることもある
ネットや通販などで加入する保険に比べても安く、この割引率は他に類をみない
死亡保険だけではなく、入院保険や休業補償保険など基本的な保険は準備されている
社会人になると生命保険の営業マンから保険の保険の加入を勧められる機会が増えるが、団体保険に加入すれば当面は十分だろう
〇団体(収納)扱い
どうしても個人で生命保険に加入したいのなら、その保険料を給与引き去りする制度もある
口座引き去りに比べて保険料が数パーセント程度安くなるメリットがあり、保険料の入金忘れの心配がない
〇DC年金制度(確定拠出企業年金、日本版401K)
企業が退職金準備に拠出する掛金のほかに、個人が自分で自助努力で老後資金を積み増すことができる
自分で拠出することをマッチング拠出というが、掛金が全額所得控除になる
退職一時金として受取る場合は退職所得、年金として受取る場合は雑所得として取扱われ、それぞれ退職所得控除・公的年金等控除の適用対象となるため、老後準備としては最強の金融商品だ
退職金として受け取るまでに期間は預けたお金を、株式投資信託・債券投資信託などで運用することができ、60歳で受け取るまでに運用益を増やすことができる
定年までの長い期間があるので、上手く運用できれば運用益はかなり大きくなる
会社にDC制度がない場合には、国が運営する個人型DC年金(iDeCo)という制度もある
DC制度は投資を学ぶ良い機会でもあるので積極的に取り組むことをお奨めする
また、最近ではライフプランセミナーと言って、将来のライフプランを立てるためのセミナーやキャリアアップのためのセミナーを開催する会社も増えてきている
人間が100歳まで生きる時代になった
今を生きる老若男女はすべて、人生100年時代のパイオニアだ
どのように働き、どのように収入を得て使うか、キャリアをどう形成して、収入と支出のバランスを上手くコントロールするか
ライフプランやファイナンシャルプランは人生のシナリオ
ぜひ、シナリオづくりを楽しもう!