いよいよテンプ(派遣)の人が来た。
今回は、年配?というか60歳近いと思われる女性だ。
テンプの人は、仕事でかかわる人にしか挨拶しない。
早速、ファイリングの仕事にとりかかってもらった。
Aさんは、機嫌が悪い。きっとテンプの人が気に入らないんだろうなと私は思った。
テンプの女性は、サンプルを見ながら、黙々と仕事を進めている。
テンプの人は、Aさんのことを私に聞いてきた。「あの人ね。派遣会社で、いろいろ言われて来たのよ。あとで話しをしてみるわ。」と言うので、「失礼があるかもしれませんが気にしないで下さいね。」と私は言った。
昼時になると、Aさんは、自分のデスクで一人で持参のお弁当を食べるのだが、テンプの人は、「御一緒してもいいかしら?」と言った。Aさんは、激怒するかと思ったら、意外なことに、「えええっ?」とビックリしたような返答。テンプの人は、Aさんの後ろの空席の椅子を持ってきてAさんの傍に座った。何を話しているのか聞こえなかったのだが、Aさんが笑い声を上げている。私は、Aさんの笑い声を始めて聞いたが、他の人も、楽しそうな笑い声に不思議そうな表情をしていた。
本当に何があったのか、午後からAさんは、私を罵倒しなくなった。
テンプの人も不思議な人、本当に不思議な人だ。
次の日の朝は、Aさんは私に初めて挨拶を返してくれた。
私にとって、このテンプの人は、神様だ。この人がいる限り私は安泰のような気がする。