夫は主夫受験生時代に知り合った友人の事務所の仕事を取ったり、私の友人の税理士&社会保険労務士の一人での兼業事務所の仕事を取ってきたりと、無職にあるまじき行為(笑)をしていた。


もちろん、事務員としての登録もしていないし、名刺もない。無給で働く、闇の営業マンである。


北海道に移住してからも、この闇営業は続いた。


しかし、怪我をしてからは、上京もできず、電話だけでは、うまく営業活動はできない。


士業も、この不況で仕事量が減って大変だ。


私には、夫の代役は無理なので、野菜を宅急便で送るだけしかできない。

会社を辞めてから、人との付き合いが減った。


というか、私達が友達リストから削除されたのだ。


リストから削除しなかった人が、本当の友達???と私は判断した。


昨今の厳しい経済情勢の中で、リストラされた友人も、同じようなことを言っていた。会社辞めた途端に、サーッと潮が引くように自分の周りから人が去っていった。


「今まで自分と付き合いがあると思ってた人は、自分じゃなくて、会社という組織を通してじゃないと成立しない付き合いだったということを思い知った。」と友人は語った。


中には、「夫に一緒に事業を始めよう。出資は君の金で」と言って近づいてくる人も何人かいた。


「事業を始めるから金を貸してくれ」とは決して言わない。あくまでも「出資」だ。なぜなら、出資なら、うまくいかなかったら返済の必要がないからだ。


北海道に家を建てて、本格的に移住を決めた時も、「都落ち」と小馬鹿にした言い方をする人もいた。要は、金に困って東京の家を処分して、田舎に逃げたと判断されたのだ。


20代の頃、友人の結婚披露宴で、新郎側の友人の男性達と一緒の席になることもあったが、私の友人は、初対面の男性に、いきなり「お勤めは新郎と同じ?」「大学も同じ?」「大学は何処出たの?」「出身地は何処?」

「兄弟は何人?」「長男?」と矢継ぎ早に質問をするのだ。


あまりにも相手に失礼だと私は思ったが、怒った男性は一人もいなかった。友人曰く、「これが一番合理的、時間を浪費しないで済むのよ。」と、あっけらかんとして言っていた。


そのようにして、男性を選別していた彼女ではあるけど、不幸な結婚生活を送っている。気の毒なのは彼女のご主人というのが世間の評価だ。



この時期になると、毎年、友人の愚痴を聞くことになる。


「旦那の実家に行きたくない。」


「年に一度位、滅私奉公してきなさいよ。」と私は言う。


今年は、夫の怪我で行ってないけど、私は、年に何度かは、夫の実家に御機嫌伺いに行っている。


今年は、暑い東京から、義母が我が家にやってくる。


私は、嫌とは思わないが、夫は、嫌がっている。


実の親子だし、遠慮なく何でも言ってくるし、指図もしてくる。


義母は、夫の親だけあって、とても几帳面な人だ。


粗相のないように、完璧な状態で、迎える準備をしているところだ。