そこで王は相談して、二つの金の子牛を造り、民に言った、「あなたがたはもはやエルサレムに上るには、およばない。イスラエルよ、あなたがたをエジプトの国から導き上ったあなたがたの神を見よ」。
そして彼は一つをベテルにすえ、一つをダンに置いた。
この事は罪となった。民がベテルへ行って一つを礼拝し、ダンへ行って一つを礼拝したからである。
「高い所へ向かう旅」2005年10月、ジョセフ・B・ワースリン、十二使徒定員会
例えばソロモンは,最初のうちは主に従い,主の律法を尊びました。そのおかげで繁栄し,知恵だけでなく富と名声にも恵まれました。そして主はソロモンに,もし義にかなった生活を続けるならば「イスラエルに王たる位をながく確保するであろう」(列王上9:4-5参照) と約束されました。
しかし,天の訪れを受けたにもかかわらず,またあらゆる人に勝って祝福を受けたにもかかわらず,ソロモンは主に背きました。そのために,主は王国をソロモンから取り上げ,その僕に与えるように定められました。(列王上11:9-10参照)
その僕の名はヤラベアムといいました。勤勉な若者で,エフライム部族の出身でした。ソロモンは彼に自分の労働者の一部を監督させていました。(列王上11:28参照)
ある日,旅をしていたヤラベアムに一人の預言者が近づき,主はソロモンから王国を取り去り,イスラエルの12部族のうち10部族をヤラベアムにお与えになると預言しました。
主は預言者を通じ,ヤラベアムに次のように約束されました。もし正しいことを行うならば,「わたしはあなたと共にいて,わたしがダビデのために建てたように,あなたのために堅固な家を建てて,イスラエルをあなたに与えよう。」(列王上11:38)
主はヤラベアムを選び,もし戒めを守り,高い所へ向かって歩むならば,驚くような祝福を授けると約束されました。ソロモンの死後,この預言者の言葉は成就し,イスラエルの12部族のうちの10部族がヤラベアムに従いました。
そのような恵みを受けたこの新しい王は,主に従ったでしょうか。
残念ながら,従いませんでした。金の子牛を造って民に礼拝させました。また,自分の「神権」を作り出し,自分の望む者を選んで,高き所の祭司に任命したのです。(列王上12:28-30;13:33) つまり主から偉大な祝福を受けながら,ヤラベアム王は,その前に統治したすべての王にも増して悪をなしたのです。(列王上14:9参照)後の世では,ヤラベアムは,イスラエルの邪悪な王たちの邪悪ぶりを測る基準になったほどです。
そのような邪悪な行いのために,主はヤラベアムから離れられました。ヤラベアム王の邪悪の結果,主は,王とその一族が一人残らず滅ぼされるように定められました。この預言は後に文字どおり成就しました。ヤラベアムの子孫は地上から滅ぼされたのです。(列王上15:29)
ソロモンとヤラベアムは,モルモン書の中で繰り返される悲劇のサイクルの見本となりました。民が義にかなっているときは,主はその民を栄えさせられます。繁栄は高慢を生むことが多く,高慢は罪を生じます。罪は邪悪を生み,霊にかかわることに対してかたくなな心を生みます。結局,このような道の終着点は,心痛と悲しみなのです。
