さて、イエスがこのように言われると、群衆はこぞって、病気の者、苦しんでいる者、足の不自由な者、目の見えない者、口の利けない者、そのほかどんなことでも苦しんでいる者たちを伴って前に進み出た。するとイエスは、御自分のところに連れて来られた者をことごとく癒された。
そこで、彼らは皆、癒された者も健康な者も、イエスの足もとにひれ伏して、イエスを拝した。また、群衆の中を近づくことのできた者はイエスの足に口づけし、涙でイエスの足をぬらした。
さて、イエスは、幼い子供たちを連れて来るように命じられた。
そこで、彼らは幼い子供たちを連れて来て、イエスの傍らに降ろした。イエスはその真ん中に立っておられた。また、群衆は道を譲って、幼い子供たちが皆、イエスのもとに来られるようにした。
「モルモン書—この書物なしの人生とは」2017年10月、ラッセル・M・ネルソン、十二使徒定員会
1986年にガーナのアクラにある大学に招かれて特別講演を行いました。何人もの要人と会いましたが,その中にアフリカのある部族の王がいました。講演が始まる前,この王は言語学者の通訳のみを通して,わたしと話をしました。わたしから通訳,通訳から王へと,訳されたわたしの言葉が王に伝えられました。
講演後,王は脇目もふらずにわたしの所に来ました。しかし,今回は通訳を連れていません。驚いたことに,王は完璧な英語-イギリス英語を話したのです。
王は当惑しているようでした。「君は何者なのだ」と聞いてきます。
わたしは答えました。「聖任されたイエス・キリストの使徒です。」
王は尋ねました。「君はイエス・キリストについて,どんなことを教えられるのかね。」
わたしは王に質問をしました。「イエスについてすでに御存じのことはありますか。」
王の答えから,彼が聖書を真摯に研究し,主を愛する者であることが分かりました。
そこでわたしは,イエス・キリストが古代のアメリカの人々を教え導かれたことを知っているかと問いかけました。
予想どおり,知らないとのことでした。
わたしは,救い主が十字架上で亡くなられた後に復活して古代アメリカの民を訪れ,主の福音を教えられたことと,キリストの教会を組織されたこと,御自身がその民の中で教えられたことを記録するよう弟子たちに命じられたことを説明しました。
続けて,「その記録が,モルモン書として知られているものです。これはイエス・キリストについてのもう一つの証であり,聖書と対を成す聖典です」と伝えました。
この時点で王は,かなり興味を持ち始めていました。わたしは振り返って,同行していた伝道部会長にモルモン書を余分に持っているかと尋ねると,伝道部会長はかばんから1冊取り出しました。
わたしは第三ニーファイ第11章を開き,救い主がニーファイ人に行った説教を王と一緒に読み,そのモルモン書を贈呈しました。そのときの王の言葉が,わたしの思いと心に刻みつけられています。「ダイヤモンドやルビーを贈ることもできたであろうに。しかし,主イエス・キリストについてのこの新たな知識は,何ものにも代えがたい貴い価値がある。」
第三ニーファイを読んで救い主の言葉の力を実感した後,王はこう宣言しました。「わたしが改心して教会に入ったら,部族全員を教会に連れて来よう。」
わたしは言いました。「王様,それはいけません。改心は個人の事柄です。救い主はニーファイ人の一人一人に仕え,教え導かれました。一人一人がイエス・キリストの福音の証を受けるのです。」(3ニーファイ17:9-12参照)
