ピリピ1:29
あなたがたはキリストのために、ただ彼を信じることだけではなく、彼のために苦しむことをも賜わっている。
「このような偉大な大義において前進しようではありませんか」2020年4月、M・ラッセル・バラード、十二使徒定員会
「主の預言者であり聖見者であるジョセフ・スミスは,……彼自身が神の賜物と力によって翻訳して,両大陸で出版する仲立ちとなった『モルモン書』を出し,その書に載っている完全な永遠の福音を地の四方に送り出し,人の子らのために『教義と聖約』という本書を構成する数々の啓示と戒め,およびそのほか多くの知恵ある文書と指示を出し,何千人もの末日聖徒を集め,一つの偉大な都市を建設し,覆されることのあり得ない誉れと名声を残した。 ……そして,昔の,主の油注がれた者のほとんどがそうであったように,〔ジョセフは,〕自らの血をもって自分の使命と業を証明したのである。彼の兄ハイラムも同様であった。彼らは生前に分かたれることはなく,また死後も離れることはなかった。」(教義と聖約135:3)
殉教したジョセフとハイラムの遺体がノーブーに戻り,洗い清めと着替えが済むと,スミス家の人たちは愛する家族のなきがらと対面できるようになりました。亡き二人にとって大切な存在だった母親は,後にこう言っています。「わたしは長い時間,全神経をもって身構え,全身全霊を奮い立たせ,力を与えてくださるようにと神に祈り求めていました。ところが部屋に入り,殺された息子の横たわる姿が二人同時に目に入り,家族のむせび泣く声やおえつ,妻や子供たち,兄弟姉妹たちの泣き叫ぶ声が耳に入ってくると,もう,こらえ切れなくなりました。わたしは崩れ落ち,苦しみもだえながら主に叫びました。『神よ!わたしの神よ!なぜわたしの家族をお見捨てになったのですか。』」(“Lucy Mack Smith, History, 1845,” 312–13, josephsmithpapers.org; spelling and punctuation standardized.)
すると,この悲しみと苦悩のときに,彼女には,亡き息子たちがこう言うのが聞こえたのです。「お母さん,わたしたちのことで泣かないでください。わたしたちは,愛で世に勝ったのです。」(“Lucy Mack Smith, History, 1845,” 313, josephsmithpapers.org.)
……
最初の示現200周年を祝うこの喜びの時にあって,わたしたちは,教会を築いてきたその他多くの忠実な男女,子供たちとともに,ジョセフ・スミスとハイラム・スミスの払った代価を常に覚えておかなければなりません。彼らのおかげで,今日皆さんもわたしも多くの祝福と,これらすべての啓示された真理を享受することができるのです。彼らの忠実さを,決して忘れてはなりません。
ジョセフとハイラムとその家族がなぜこれほどまでに苦しまなければならなかったのかと,わたしは度々疑問に思ってきました。この苦しみを通して,彼らは,この苦しみなくしては知り得なかった神を知るようになったのかもしれません。この苦しみを通して,彼らは救い主のゲツセマネと十字架での苦しみを思い起こしたのです。パウロは言いました。「あなたがたはキリストのために,ただ彼を信じることだけではなく,彼のために苦しむことをも賜わっている。」(ピリピ1:29)
ジョセフは1844年に亡くなる前,聖徒たちに熱意あふれる手紙を書き送りました。それは行動を起こすようにとの呼びかけであり,教会は今日でも同じ呼びかけをしています。
「兄弟〔と姉妹〕たちよ,わたしたちはこのような偉大な大義において前進しようではありませんか。退かずに前に進んでください。兄弟〔と姉妹〕たちよ,勇気を出してください。勝利に向かって進み,進んでください。……
したがって,わたしたちは教会として,また民として,また末日聖徒として,義をもってささげ物を主にささげましょう。」(教義と聖約128:22,24)
