ヨハネ1:29
その翌日、ヨハネはイエスが自分の方にこられるのを見て言った、「見よ、世の罪を取り除く神の小羊。…」
「見よ,神の小羊」2019年4月、ジェフリー・R・ホランド、十二使徒定員会
バプテスマのヨハネが水辺から見上げて,バプテスマを受けるのを待ちきれない様子の群衆の後方に目をやると,遠くに,いとこであるナザレのイエスがバプテスマを受けようと,しっかりした足取りでこちらに歩いて来られるのが見えました。ヨハネは,敬意を込め,しかし近くにいる人たちによく聞こえるように称賛の言葉を述べました。その言葉は,2,000年後のわたしたちを今なお感動させます。「見よ,神の小羊。」(ヨハネ1:29)
イエスに先駆ける者として昔から預言されていたこの人が,イエスのことを「エホバ」とも「救い主」「贖い主」「神の御子」とも呼ばなかったことは,銘記すべきことです。そのすべてがふさわしい称号であったにもかかわらず,ヨハネは,民の宗教上の伝統の中で最も早い時期の,恐らく最も広く知られていた象徴的な呼称を選んでいます。堕落した世界とその世界の堕落したすべての人の罪と悲しみ,試練と苦しみの贖いとしてささげられる犠牲の小羊の象徴を用いているのです。
