ようこそのお運びで。6年経ってやっと夫のお墓を作らねばという気になりました。子供無しなので、夫婦二人用の永代供養墓。

何でも一人で考えて決断していかねばならない。夫よ、私を褒めてくれ。

11月下旬の京都の続きです。「三室戸寺」と「北野天満宮・お土居」。

◎宇治 三室戸寺

 

 

 

 

 

 

 

◎宇治 興聖寺そばの大銀杏

 

 

◎北野天満宮

 

 

 

 

 

 

 

 

お題

「わが宿の 花しなべての 色ならば 何かはさらに 君を待たまし」(源氏物語・花宴)朧月夜をめぐる歌④

 

かの有明の君は、はかなかりし夢を思し出でて、いともの嘆かしうながめたまふ。春宮には、四月ばかりと思し定めたれば、いとわりなう思し乱れたるを、男も、尋ねたまはむにあとはかなくはあらねど、いづれとも知らで、ことにゆるしたまはぬあたりにかかづらはむも人わるく、思ひわづらひたまふに、三月の二十余日、右大殿の弓の結に、上達部、親王たち多く集へたまひて、やがて藤の宴したまふ。花ざかりは過ぎにたるを、

「☆ほかの散りなむ」

とや教へられたりけん、おくれて咲く桜二木ぞいとおもしろき。新しう造りたまへる殿を、宮たちの御裳着の日、磨きしつらはれたり、はなばなとものしたまふ殿のやうにて、何ごともいまめかしうもてなしたまへり。源氏の君にも、一日、内裏にて、御対面のついでに聞こえたまひしかど、おはせねば、口惜しう、ものの栄なしと思して、御子の四位少将をたてまつりたまふ。

 ☆わが宿の 花しなべての 色ならば 何かはさらに 君を待たまし

・・・あの有明の君(=朧月夜)は、儚い夢の如き逢瀬を思い出しなさって、たいそう嘆きがちで物思いに沈んでいらっしゃった。(朧月夜の父の右大臣は)春宮のもとには、四月頃に入内と思い決めなさっていたので、(朧月夜は)どうしようもなく思い乱れなさっていたが、男(=源氏)も、お捜しなさるのに手がかりがないわけではないけれど、どの姫君とも分からず、特に源氏のことを認めなさらないあたりと関わり合うのも、体裁が悪く、思い悩んでいらっしゃったところ、三月の二十日過ぎに、右大臣家の弓の試合に、上達部、親王たちを多く集めなさって、そのまま藤の花の宴会をなさる。藤の花盛りは過ぎていたが、

「☆ほかの散りなむ」

とでも教えられたのか、遅れて咲く桜二本がとても美しい。新しく造りなさった御殿を、それは宮たち(=弘徽殿女御腹の女一の宮と女三の宮)の御裳着の日に磨きたてられて造営されたものだが、その御殿を、派手好みでいらっしゃる右大臣家の家風で、万事はなやかにあつらえなさっている。(右大臣は)源氏の君にも、先日、宮中でご対面された序でに、お招き申し上げなさったが、いらっしゃらないので、残念で、催しも映えないと思いなさって、御子の四位の少将をお迎えにつかわしなさった。

 ☆わが宿の 花しなべての 色ならば 何かはさらに 君を待たまし・・・

 

朧月夜は父の右大臣から四月に春宮に入内するよう決められているので、源氏との儚い逢瀬を思い出し、思い乱れる。源氏は自分を敵対視する弘徽殿女御(右大臣の娘)の一族にかかわることを不体裁に思い、捜すことを逡巡している。弥生二十日過ぎ、右大臣邸で藤の宴が開かれる。右大臣は源氏を招待するが、お出ましがないので、迎えを差し向け、歌を贈る。

 

源氏物語六百仙

◎歌を取り出す。

 

ほかの散りなむ・・・以下の歌の引き歌

『古今集』

「68 見る人も なき山ざとの さくら花 ほかのちりなむ のちぞさかまし」

・・・見る人もいない寂しい山里の桜花よ。ほかの桜が散った後に咲けばいいのに。・・・

 

右大臣の歌

☆わが宿の 花しなべての 色ならば 何かはさらに 君を待たまし

・・・わが家の藤の花――わが家の娘――が並大抵の美しさであるなら、どうしてあなたのおいでを再々お待ちすることがありましょうか。・・・

①「わが宿の花し」・・・「し」は強意の副助詞。「わが宿の花」に「わが家の娘」の意を暗示。

②「なべての」・・・「平凡な・普通の」の意。

『公任集』

「141 いはまより おふるにしるき 菊なれや なべての花は 霜にかれにき」

『源氏物語』

「157 あひ見ずて しのぶるころの 涙をも なべての空の 時雨とや見る」

③「待たまし」・・・「まし」は反実仮想の助動詞。

 

わが家の藤の花も、そしてわが家の娘も並みの美しさではなく、あなたをお招きすればご満足いただけるものですから、是非、お越し下さいませと誘っている。

 

 

 

おまけ

 

医大プロジェクトチームの研究に参加して下さった被験者の皆様のご尽力と、

ネンタ医師の困っている患者様を何とかして救いたいという熱意と、

被験者様に集まっていただこうとして開設したこの拙ブログの存在も少しばかり貢献して実現した論文

 

国際科学雑誌 「PLOS ONE 」の論文

「Brain Regions Responsible for Tinnitus Distress and Loudness: A Resting-State fMRI Study」

https://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0067778

 

二報目

https://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0137291

 

 

  sofashiroihana