報酬系、罰則系の教育が娘には有効でない理由 | 「育児書にない!&しゃかりき!」〜元塾講師&ASD母子&不登校勉強対策用のブログ

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ASD当事者で、子供もASDです。元社会科塾講師です。
歴史の受験勉強、育児についての話や不登校の娘への対応の話、自分自身の生き方についても語ります。

2025年春に、塾講師ブログ「しゃかりき!」と合併しました。

みなさま、本日もありがとうございます。





娘はASDで、私自身もASDです。


そのためなのか、

ASDうんぬん関係なく

そういう性格に起因するものなのか?

…はわからないのですが


多くの人には有効な解決方法、

教育指導が

娘には有効でない、

むしろ、パニックのもとに

なるものが多々あります。

私にとってもストレスがたまる一方の

やり方のものです。




「娘には有効でない、むしろ、良くないもの、なのは経験上わかっていたが、

なぜ多くの子には有効な方法なのに、

娘にはそうでないか?の根本的理由」


がわからないため、

今まで黙ってましたが


でも、最近、突然、

「こういう理由では?!」と

ひらめいたこと、わかったことが

あるので、

ここで備忘録として

述べたいと思います。


合わない教育とは?


娘には有効でない教育指導とは


報酬系」、「罰則系」の指導です。



例えば

「次のテストでがんばったら、

好きなオモチャを買ってあげよう!」

とか

「旅行に行きたいんだったら、

○○することが条件」

「クラス優勝したら、

○○がもらえる」

とか、がんばったごほうびの報酬系のもの。


または


「次のテストで平均点以下なら

ゲーム機を捨てるよ!」

とか

「旅行は、○○しなければ

ナシだから」

という罰則系


幼児相手だと

「○○しないと、サンタさん来ないよ」とか。





娘の場合、

罰則系はもちろんのこと、

報酬系を提示されても

がんばれなくなります。



本人が元々言っていた、苦手な理由は



もし、○○できなかったから、××を禁止、という条件の場合、


○○できるようにしよう、


ではなく、


○○できなかった未来ばかり考えてしまって、


もうがんばりたくても、その未来に脳が支配されて、何も頭に入ってこなくなる。えーん



もし、○○できたら、△△△を買ってもらえる、という条件だと、


私は○○できることを目的としたいのに、

まるで△△△をほしいから、

○○をがんばったと条件を出した人に思われるのが屈辱だから、


○○をがんばるのが、

だめなことのように感じてしまう。ガーン

…と。



たしかにその通りだと思います。


私もそうだったから。



近所でクラスの大半の子が

通っていた人気の学習塾や

周りの友達(当時)がよくしていた

子供向けの通信教育系は

テストで良い点を取るとポイント制で

なにかの景品?商品がもらえたり、

そういうのが娘と同じ理由で

無理でした。


テストの点数が悪いと

みんなの前で晒される系の学習塾も

嫌でした。


(そのため、中3からは、

私は先生がひたすら解説のみして

の授業と、模試を受けて郵送で模試が帰ってくるだけでとくに先生からの指導もない、

予備校に通ってました。)


そのような塾や通信教育が

合う人には合うので

それが良いかどうか?の

話をしたいわけではありません。



今でも買い物のポイントカードとか苦手で

「ポイント集まってお得だから買い物を

するとなると、究極のお得は買い物をしない、だから、そもそも、必要なもの以外の買い物をしない努力をしよう。」

…という思考になってしまい、

ポイントカードも最低限しか

使いこなせない私…。






苦手な根本原因は?


話を元に戻します。


自分や娘が

報酬系、罰則系の教育指導が

苦手な理由はわかっては


苦手な理由根本的原因

わからないままでした。



でも、最近、

「ASDはマルチタスクは

苦手(な子が多い。)」

+

「ダブルバインドの教育は

子供に混乱をひきおおす」


ということが大きいのでは?と。



報酬系罰則系

本来はダブルバインドではないです。


「○○しないと、×××…」

もいうのは、

「○○をしてほしい」

という要求は1つだし、

マルチタスクでなく、

「○○をする」という

1つのタスクのはず。



しかし、ASDの娘のなかでは

「○○しないと、××は禁止」

「○○したら、△△△を買う(許す)」は

マルチタスクに感じてしまう。


現在「○○すること」と

未来の「××ができない」

「△△△を買ってもらう」が

並んでしまうんです。



さらに


どちらが発言者の目的か?が

わからなくなる。



「自分に○○してもらいたい」

のか

「××を禁止すること」(「△△△を買うこと」)


のどちらが真の目的なのか?

がわからなくなり、


発言者はそんなつもりはなくても

娘には、「ダブルバインド」のように

感じてしまう。



「多くの人間は本音を言語化して話さない。」

「相手の本音は察しなければいけない。」

というのは、経験でわかってはいるので。


でも、時間をかけて分析すれば

相手の本音はわかるけど、

会話しながらその瞬間にわかるわけでは

ないのがASDの娘。

(ASD全員が察せないわけではないです。)



…というわけで

正確には、ダブルバインドでは

ないのだけれど、

娘の中には

「××禁止」「△△△購入」という

実現する可能性もあるということは

発言者の真の目的は

「○○をできないようにさせているのでは?」

という疑いを持ってしまい


しかし、発言者の意図通り

「○○できるようにしてほしい」

というのも考えられるので


矛盾する意図に感じられ、

つまり、ダブルバインドと

感じられてパニックになるんだろう、と。



さいごに


夫(おとーさん)が娘に

報酬系、罰則系の指導を

やっしまうことがあり、

それを一度でもしてしまうと

娘の被害妄想がひどくなり、

毎日癇癪の嵐になることが

多々あります。



夫としたら、

報酬系に素直に従わないので

娘は

可愛げがない、偏屈、

罰則系に従わないと

娘は

ワガママだ!


と怒りだす。


報酬系、罰則系の指導さえしなければ

娘が本来されない評価なのに。


誰だって、自分に合わない指導を

されれば、発言者の思ったような

行動はできない。



多数派に合うものが合わないからこそ

発達障害なのに


多数派に合う教育で成果だせない、

自分の心を守るために癇癪おこしてるのに

それをワガママ、偏屈と言われても…。


それで娘と夫の二人が揉めて…の

毎日なので、

最後は私が二人に怒って、


娘と私は話し合い、

夫は怒って他の部屋に行く…

という感じ…。




私が報酬系、罰則系の教育指導は

他の子には有効でも

娘には有効でないと

確信したので


最近は

「○○してほしい」なら「○○しなさい」

とだけ、


「××をやめてほしい」なら「××はダメ」

とだけしか、私は娘には要求しません。


「○○してほしい」「××はダメ」な理由は

話しますが、

大人になると納得できる内容でも

社会経験がない子供だと

創造力の限界もあって

完全に納得できる内容でなかったりします。



なので、そこらへんの加減は難しい

けれど…。



他人から見たら

「要求しか話さない母親はなんて横暴でしょう!」と見えるかもしれません。


でも、娘には合う指導方法で

これからもがんばっていきたいなぁ、

と思います。爆笑