「歴史が苦手だった私が社会科塾講師になった理由」3 大学生編 | 「育児書にない!」~ASD母子の育児&お勉強&歴史の授業~

「育児書にない!」~ASD母子の育児&お勉強&歴史の授業~

ASD(自閉症スペクトラム)当事者で、娘もASDである、元社会科塾講師のセザール=れくす、が描く、「ASDのお子さん向けの受験勉強についてのブログです。
育児についての話や不登校の娘への対応の話、自分自身の生き方についても語ります。

みなさま、昨日もありがとうございました。

いつもは朝の7時代に
更新できるよう、予約投稿を
前日にしているのですが、
昨日は頭が回らなかったので
朝にきゅうきょ書くかたちになり、
更新遅くなって失礼しました。

昨日に続きまして、
昔、出した同人誌
エッセイ漫画「歴史が苦手だった私が社会科塾講師に
なった理由」です。

今回は第三話。
大学生編その1。

今回は、私が歴史好きになった、
きっかけの話です。







私は小学生のとき、
絵を描くこと、漫画を描くこと、
漫画を読むこと、アニメを見ることが
好きでした。
つまり、それが「趣味」でした。

何かを好きである、


それが「悪いこと」

とは思いませんでした。


しかし、小5のいじめで、
好きなものを悪く言われ、
また、何か猛烈な趣味があると
「オタク」「犯罪者予備軍」「キモい」
と言われ続けました。


それで、中学生になってからは

好きなものは好きなままだけど
のめり込まないように意図的に努力する
ようになってしまい、
また、勉強をしていたら
誰も何も言わないので

勉強ばかりしてました。

勉強の気分転換に
漫画を読むとか、ラクガキする、
その程度しかやりませんでした。


そのままの状態で、
大学に入学したら
カルチャーショックでした。


私は、暇さえあれば勉強ばかりしてて
世界史が苦手だったので
必死こいて勉強して、
その大学に受かりました。

学校の授業だと理解できないことも
多かったので、
塾にも通ってなんとか…、と。


しかし、大学で知り合ったメンバーは

塾にも行かず、
趣味も楽しみながら
勉強して受かった人も多くて。


また、「趣味というものを良いもの」と
いう前提で会話がなされたり。


もう、びっくりでした。


「趣味」=「悪の化身」と
思い込んでいた自分。

それが
「趣味」=「正義」

に180度かわったんですよ!


私の心の底で

「自分も趣味がほしい!」


と思いました。


でも6年以上、趣味を封印してたので
探すのに苦労しました。


何せ、大学1年生のときは
私が中学、高校くらいに流行った
「エヴァ」も「ガンダムW」も
存在そのものを知らなかったので。
(「ポケモン」は
弟が見てたので知ってました)

漫画は中学、高校の時も読んでいたので
漫画原作のアニメは知ってましたが

アニメのみの作品は知らなかったのです。 

アニメや漫画についても楽しく語る
同級生が当時はすごく羨ましかったです。


私は趣味探しの旅?に出ました。

流行りのまんが、アニメ、
ドラマ、音楽、

など色々とハマろうとがんばりました。


しかし、一時的には楽しいと思っても
それ以上、いかず。


趣味づくりの一貫で入った
能楽部も、
能楽の何が楽しいか、
当時はわからなくて…。
(今は楽しさも素晴らしさも
 わかります。)


そんな感じで

「自分はいったい何が好きなんだろう?」
が、わからなくなりました。


慣れない大学生活、
話す友達はいるけど、
高校の時のような友達が
できず、

夏休みに入るまで
生理が止まってしまうほど
ストレスでした。


夏休みの間は

「自分」というものが
何かわからなくて、
辛かったです。

それが、夏休み明けの
後期日程で転機が!


体育の単位で出会った友達。

会った瞬間に一目ボレ。
猛アタックして、
仲良くなりました。

なぜかわからないんですが、
彼女と出会った瞬間に

突然、何かが弾けたんですよ!

その彼女とは今でも続く親友です。
娘もなついています。

そして、もう1つの出会いが

今後の私を変えたもの。

そう!

「西洋美術史」と「ナポレオン」

との出会いだったのです。

今でも忘れない、あの日。

たまたまその時間は自分とれる講義が
「近代西洋美術史」しかありませんでした。


元々、美術は好きでした。


小学生のいじめのあと、

モネ展とゴッホ展に行きました。
そのあとも、
いくつかの絵画展に行ってます。

でも、それは
親に遊びに連れていってもらった、
という程度の気分で、
楽しいけど、見ている時間だけ
楽しみました。


美術史についても、
中学のときの先生が
「美術史などの知識をつけると
自由な発想力が奪われる」
というワケわかんない指導をされたので
ほぼ美術史については知りませんでした。

ペーパーテストは
美術史は出ましたが、
先生のプリントを丸暗記したら
満点とれるようなものでした。


しかし、大学でとった内容は
私に衝撃をあたえました。


なんて面白いんだろう!
こんなに、胸が高まることは
生まれて初めてだ!


今から思えば、
私は小さい頃から絵が好きでした。

漫画、アニメが好きというより


絵画

という存在が好きでした。


そして、
中学、高校でずっと勉強をしてても
平気だったのは

勉強が好き


だったからなのです。


つまり、

わたしは


絵の世界が好き!

勉強の世界が好き!

だった。

それが「西洋美術史」は
とんでもない究極のコラボなのです。

政治史のからの文化史、というのが
高校までの歴史の教科書の形です。


でも、西洋美術史では

文化史(絵画史)に拠点をおいて、
政治史、経済史を見ていきます。


要は、小学校から高校までは

視点は現代から見ます。
英語で言うと現在完了です。
だから、現在の価値観で
歴史を見て、
偉人という偶像を
つくることが可能になります。


しかし、大学で教えられた歴史は

その時代に自分がタイムスリップして
その時代に拠点をおいて、
見ていきます。
英語で言うと過去形です。

すると、当時の人々が
政治の動向をどう見ていたか?
どう自分達の生活に関係していたか?

というのをわかる必要があります。


自分は自分、
歴史人物は歴史人物、
という立ち位置でいられます。

その、当時の人々の
心や価値観わかるためのツールが
文化史なのです。



例えば、ロココなら
「貴族らしい」と感じますし、

フランス革命期からナポレオン時代の
新古典主義絵画は
すごくキビキビして理想にもえている、
というのが感じられます。


まさに、そういう精神状態だったのでしょう。


近代絵画が


人間の生き方の理想
→人間以外のもの(風景など)にも興味をしめす
→個人個人でどう生きるか?
→現在アートに繋がる


というのは、
政治、経済の状況と
密接に結び付きます。



こういう風に


「歴史」というのは


「人が築いた軌跡をまとめたもの」

と気がつき、

歴史が大好きになりました。


そうなると、最初は無理して入って
何が楽しいかわからなかった能楽も
楽しくなるんです。

能楽の場合は
「奉納」「鎮魂」の意味合いが強いので
日本の価値観を感じとるのに
とても大切な文化だとわかりました。
大学では、歌舞伎も研究しました。
ラテン語も、宗教も、小説も、日本語教育も。

大学の帰りは、暇さえあれば

美術館通いと本屋。

家では、本屋で買った歴史の本を読みあさり、
HP(当時はブログはなかった)で
歴史についてまとめたり、
歴史人物のイラストを描いてアップしてました。


大学2年生のとき、
「専門の国語でなく、社会を教えたい!」
と思うようになりました。
そこでどうなったか?を
第四話でお話ししたいなぁ、と思います。