8月10日にオハイオ州ロンドンの農家を舞台に開催された再生型農業の農家向け説明会に参加しました。

再生型農業とは、農法を変えることで土壌と水環境を豊かにし、土壌流出を防ぎ、炭素を土壌に蓄積する農業です。 

 

参加農家には土壌に蓄積された炭素量に応じてお金が支払われます。

農家も、地球温暖化と言う大きなテーマより、自分たちに関わる土と水という切り口の方が入りやすいようです。

 

イベント受付

 

主催はカーギル社ですが、農務省の天然資源保全局やオハイオ州立大学がセミナーやデモンストレーションを行い、カバークロップ(秋から春の間畑に植える)の種子会社や農機販売、ドローンサービスもブースを出しています。

米国は、物事が動き出すと凄く速い。

 

カーギル社の農学者と司会者が説明を行った後は、デモンストレーション。

天然資源保全局のデモでは、三つの土壌サンプル、土壌保全プログラムの休耕地、不耕起栽培+カバークロップ、通常耕起でカバークロップ無しに疑似的に雨を降らせて土壌流出の違いを見せます。

 

水を掛けて流れ出した水の状態を比べています。

一番左の通常耕起(深耕)カバークロップなしの土は、茶色に濁って土壌が容易に流れ出すことを示しています。 しかも水は中に染み込んでいません。

 

オハイオ大学は、カバークロップを導入した場合、土壌水分が上がる傾向にある事を報告し、最後は、再生型農業を導入した農家によるパネルディスカッションで体験談、失敗談などが話されました。

 

印象に残ったのは、農家の一人が都会の人は農家が土から全てを奪っていると思っているが、そうではない事を見せるためにプログラムに参加したと言っていた事です。

都市と農村の関係はどこも似たものがあります。

 

畑には普段耕している層の下に硬く締まった層が形成されますが、カバークロップがその下深くまで根を伸ばし、土を解し、団粒構造が作る助けとなります。

様々なカバークロップの種子。 夏に育てる作物、土の状況によって様々な選択ができます。

カーギル社の農学者 ジャネルさん。

衛星からの映像を使って参加農家の畑の状況が細かに分かるので、農家毎により良い農法の指導もできるとの事。 技術の進歩は凄い。

このイベント、参加者は農家で男性が殆どでしたが、主催のカーギル社は殆どが女性で男性は数えるほど。 本社でもそうでしたが女性の活躍を実感します。 

 

農家の納屋を借りて行われたイベント、朝は曇っていましたがイベントが終わる午後には気持ち良い青空になっていました。

オハイオ州立大学は、大学名にTheが付くんだそうです。 Theつけなくてごめんなさい(^^;)

 

長靴下のロップ