センチュリーコーンが作られる、イリノイ南部の平均年間降雨量は925ミリで、東京の降水量の6割にもなりません。

イリノイ大学の研究によると、エーカー収量250ブッシェルのとうもろこしを作るには、降水量換算で558ミリの水が必要だそうです。

降った雨のうち、流れ出たり、蒸発してしまう量も多いので、保水性の低い砂地の畑では夏に水不足気味になります。

そのような土地で使われるのが灌漑設備です。

通常は長い棒状の機械が円を描くように動きながら水をとうもろこし畑に撒いていきます。  なかには、直径が1キロ以上のものもあります。

以前は下のビデオのように、上からシャワーのように水を撒いていましたが、今では水を有効利用するためにバーから垂らしたホースで地面近くに水を垂らすものや、地中にホースを埋めて水を出すものなど様々なスタイルの物が出てきています。

下の図は、イリノイ州メイソン郡にある灌漑施設の地図です。 緑の円がそれぞれ灌漑設備を示していますが、驚くべき数です。 センチュリーコーンも作られるメイソン郡は、マホメット帯水層と呼ばれる浅い地下水が手に入るので、イリノイ州で一番灌漑が盛んだそうです。

ここまで多いと地下水は大丈夫かと心配になりますが、地下水のレベルはアメリカ地質調査所がアメリカ各地で監視しています。

下のチャートは、メイソン郡東部で2011年から地下水レベルを観測した結果です。 地面を2メートルも掘ると地下水が出ます。

2012年は干ばつが襲った年ですが、そこで、地下水レベルが下がっています。 しかしその後は回復しています。

持続可能な農業という言葉を良く耳にしますが、今の農家は水の事も考えながら農業をしています。

 

USGSのサイト

https://groundwaterwatch.usgs.gov/AWLSites.asp?mt=g&S=401921089282103&ncd=awl

 

灌漑設備地図へのリンク

https://www.isws.illinois.edu/docs/default-source/maps/2012-center-pivot-irrigation-mason-county-illinois.pdf?sfvrsn=5b30d2c0_2