春の妖精・奥多摩のカタクリで料理を作る | 裏宇宙からの遺言 -悟りと覚醒のプログラム-

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道の道とすべきは常の道にあらず。名の名とすべきは常の名にあらず。無は天地の始に名づけ、有は万物の母に名づく。

奥多摩・御前山のカタクリの花
撮影者 Σ64



春の妖精ともいわれるカタクリ。
全国各地に分布していますが、特に北関東・東北・北越に多いです。
奥多摩もカタクリの聖地のひとつで、三頭山の御前山が代表的なスポットです。
参考 「花の百名山」 田中澄江著


カタクリは日本が原産国です。
その後、朝鮮半島、アメリカ、ロシアなどにも広がっていきました。
鮮やかな赤紫の花を咲かせます。
でも、白いお花のカタクリもあります。

赤紫のカタクリが若々しい命が迸ってる妖精なら、白いカタクリは気品ある貴婦人ってとこでしょうか?
お花が黄色いキバナカタクリもあります。北米の森林地帯に群生しています。


昔はカタクリの球根から取れるデンプンこそ「片栗粉」でした。
現在はジャガイモから片栗粉が作られています。
カタクリの地下茎から採取できる澱粉の量は少ないので、食品メーカーが大量生産するのに向いてなかった。

もし大量生産ベースに乗せるなら、カタクリを無闇に大量採取しなくちゃいけなくなるので、「種の保存」「環境保護」という面で問題がありました。

なのでジャガイモ&サツマイモに切り替えられたのです。
でも品質は落ちるみたいです。
料理の餡や唐揚げの衣ぐらいしか使い道がありません。

一方、ユリ科カタクリ属のカタクリを原材料とした本来の片栗粉は「生薬」でもあり、優れた保健効果が認められていました。
胃腸を整えたり、滋養強壮の薬効があります。
これだけでも大きな違いです。
ジャガイモから作られる「片栗粉もどき」には薬効がありません。


カタクリを使った料理は色々あります。
花は酢の物に…、
葉や茎は茹でて和え物やおひたしにするのが定番です。天ぷらも美味しい。
球根は甘く煮付けたり、金団(きんとん)にします。

昨今の野草・山菜ブームで、定番以外の新たなレシピも開発されています。
美雨もそういう料理に挑戦したいと思ったのですが、思い止まりました。
まず基本を押さえる必要があると…。

定番料理をまともに作れない人が目新しい料理に走っても、単なるアイデア料理のレベルに堕してしまうと思います。

もし美雨ブログの読者様がカタクリを入手するチャンスに恵まれたら、ぜひとも定番料理にチャレンジしてみてください。
あまり獲り過ぎると種の絶滅リスクが生じますが、個人が節度が守る限り、心配ないと思います。(保護柵で守られているカタクリには手を出さないでください)
食品メーカーがその組織力で大乱獲したのが問題なのです。

また、絶滅の危機は乱獲だけが原因とも限りません。
最大の問題は土地開発、森林伐採です。
常軌を逸した自然破壊が元凶なのです。
植物の生育地・群生地を奪われてしまったら、生き残れるはずがないんです。


美雨の父と母はカタクリ料理に詳しいです。
自然の豊かな山で生まれ育ったので・・・。
たまに作ってもらってました。美味しかった。

美雨も作りたいな…。
両親に教えてもらったことをひとつひとつ思い出しながら、一歩一歩、地道にカタクリ料理に取り組みたいと思います。

当初、祖母に教えを乞うたのですが…、祖母は京都出身なので「カタクリ料理はよう知らん」と言われました。美雨が中学生の頃のお話です。
山野草に関してはやっぱり父と母が詳しくて、手慣れています。
ちなみに祖母は京野菜のプロフェッショナル…。


伝統的な料理に強い関心を抱き、真摯に取り組むことはとても大切だと思います。
作り手が少なくなったら連綿と続いていた食文化が衰退してしまう…。
今こそ後継者が必要なときだと思うのです。
美雨もその一人でありたいです。