以前「アシュタールの犯罪」
という記事を書いた。
これはアシュタールを完全否定する意図ではない。
一つの見方に過ぎないのだ。
もしかしたらアシュタールは、本当に高次元の叡智を有する存在なのかもしれない。
だが、チャネラー側がヘボだった場合は、メッセージのクオリティが格段に落ちる。
今のチャネリング業界の惨状を見れば、それがよく分かる。
仏陀、キリスト、須佐之男命など、高次の霊覚者とチャネリング出来ると自称する人が多いが、そのメッセージを検証すると、箸にも棒にも引っかからないものが多い。
それをアシュタールに当てはめたらどうなるだろう?
チャネラー側の問題だった…という可能性も浮上するわけだ。
もちろんアシュタール側が低次元の雑霊だった可能性も残っている。
色々な可能性が考えられるわけだ。
ここ十数年ぐらいのチャネリング業界を見ていると、一つの共通点がある。
感情レベルに比重を置いたメッセージが主流になっているのだ。
エイブラハムは、「常に良い気分でいなさい」 という。
アシュタールは 「好きなことをやりましょう」 という。
バシャールは 「ワクワクすることを選びましょう」 という。
これら全てがアストラル次元の感情エネルギー調整法であることが分かるだろう。
昔の成功哲学では 「思考は現実化する」 と説いていたが、今の主流は 「感情は実現する」 というニュアンスである。
従来の成功哲学から知性の要素を取り除いたものが人気なのだ。
ますます簡素化している。
このような世界観に従うなら、マイナスの物事すべてを無視しなければならなくなるが、それは本当に適切な指針と言えるだろうか?
現実を観てほしい。
マイナス感情なるものがマイナスの現実を作り出すと言うなら、野生動物は一体どうなるのか?
野生の動物はいつも生命の危機に晒されている。
食物連鎖の世界のど真ん中で生きている。
常に食うか・食われるか。
だから野生動物はとても警戒心が強い種が多いのだ。
マイナスを前提とした防衛本能が発達している。
人間よりもマイナス感情が強いわけだ。
しかし、その思考や感情はすべて実現したのか?
事実は異なる。
食われる動物もいるが、生き残る動物もいる。
こうして食物連鎖ルールによる事象が循環し、続くのである。
太古の恐竜時代も観てみよう。
当時の地球では、恐竜は食物連鎖の頂点に立っていたのかもしれない。
命を脅かされる回数が少なかったわけだ。
故に警戒心 (マイナス感情) もあまり強くなかった可能性がある。
だが結局、環境の変化には適応できず、滅び去ったのである。
(恐竜には多くの種類があり、その生態についても諸説ある。 特に今回の記事では草食の恐竜は含まれない)
アシュタールは 「自然災害すら人間の想念が生み出している」 と説いている。
故に、災害や犯罪など、望んでいない物事には意識を向けるな、と言うのである。
しかし地球の災害史を調べてみれば、災害に関する意識不足が被害をより深刻なものにしていることが明らかだ。
1995年の阪神淡路大震災では、災害への危機感の欠如が被害を大きくしてしまった。
2011年の東日本震災の原発事故では、「想定外」 という無責任な発言があった。
熊本地震も危機管理の足りなさが被害を拡大した。
九州地方は当時、食料の備蓄率が低かった。全国平均の半分以下だった。
十分な耐震性を持たない建造物も多かった。
崩れ落ちたブロック塀のニュース映像があったが、只の積み上げ式だったのだ。
鉄筋ではなく、モルタルで固めただけのシロモノだった。
自然災害の被害者の話を聞くと、「まさか自分がこんな目に遭うとは思っていなかった」 と答える人が多い。
災害に意識をフォーカスしなかったことが被害を拡大させていたのだ。
熊本地震でも、
「熊本では大型台風や火山の噴火が起こる可能性は高いけど、大地震はきっと起こらないだろう」
と考えていた人が何人もいたことが明らかになっている。
たとえ過去に大災害に見舞われた地域でも、しばらく有事がないと人々の警戒心は薄れてくる。
「天災は忘れた頃にやってくる」
そして恐ろしいことに、今のスピ界にもそれを増長させる教えが蔓延しているのだ。
極めて危険である。
エイブラハム、バシャール、アシュタールが本当に高次元の知性体なら、物質界の自然法則に無知であるはずがないのだが…。
我々はアストラル界(幽界)の住民ではない。
様々な波動が共存する次元世界である。
故に、類は友を呼ぶという現象が必ずしも当てはまらないケースも多い。
アストラル界では想念がストレートに実現する。
故に、その世界ではマイナスを前提にした思考や感情は大きなリスクがある。
そのマイナスが実現しやすいからだ。
だが、我々が生きている物質界は全く違う。
様々な自然法則が相互に組み合わさっている。
故に、物事の現象化の仕組みやプロセスを単純化することは出来ない。無理があり過ぎる。
だがスピリチュアル界には頭が弱かったり、依存心が強い人が多いため、下らん児戯のような教えが人気を呼ぶのである。
現在の引き寄せ業界でカリスマ的な人気を誇る指導者たちも 「単純すぎる教え」 を説いている。
アシュタールは、スターシードの生みの親ともいわれている。
だが今の自称スターシード達の言動を見ると、到底、新しい地球社会を創造できる力量の持ち主とは思えない。
ハッキリ言って笑い話である。
マイナス思考が強くても、不幸が実現するとは限らない。
プラス思考が強くても、不幸や破滅が待っているケースもある。
思考や感情だけが現実を作っているわけではないのだ。
現象界は単純ではない。
膨大な諸要素が複雑に絡まりあい、繋がりあった状態で、物事が展開するのである。
単純化された願望実現メソッドだけでは太刀打ちできないのだ。
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