盲点を利用したスピ商法 | 裏宇宙からの遺言 -悟りと覚醒のプログラム-

裏宇宙からの遺言 -悟りと覚醒のプログラム-

道の道とすべきは常の道にあらず。名の名とすべきは常の名にあらず。無は天地の始に名づけ、有は万物の母に名づく。

心理学に、努力逆転の法則というものがある。
頑張らなければ…と意識的に努力すればするほど、正反対の結果になってしまう事がある。


著述家のAさんが講演会に招待された。
多くの聴講者を前にスマートな講演をするなら、心身をリラックスさせ、静かな自信に満ちている事が肝要である。
Aさんはリラックスを心掛けた。

だが「力を抜こう。リラックスリラックス!」と自分に言い聞かせる度に緊張が増してしまった。

この種の問題はスピリチュアルや自己啓発の世界でも頻繁に起こっている。
貴方も経験者かもしれない。


私は 「魂の願望を大切にしよう」 と説いている。
この世に生まれてきた目的を尊重し、深い喜びを感じて生きる上で、非常に大切な指針だと思う。

しかし、変な方向で囚われ過ぎると、本末転倒な結果を招きやすい。

たとえば日常生活のひとつひとつの選択に対して、「これは魂の願望なのか? それともエゴの欲望に過ぎないのかな?」 などと難しく考えてしまうケースだ。
迷いに迷って、袋小路に嵌まってしまい、何も行動できなくなる。

どんなタイプのスピ指針にも当てはまる。

引き寄せの法則や成功哲学では、「思考は現実化する」と説く。
だからプラス思考を心掛ける。
だが、このメソッドに固執すると、やたら神経質になってしまう。

少しマイナス思考になっただけで、「ああっ。マイナスが実現しちゃったら大変! プラス思考を心掛けなければ…」と極度に緊張してしまう。


ブロック解除、カルマ清算法に代表される 「マイナス観念記憶の解消メソッド」 にも当てはまる。
足を引っ張るマイナス因子を浄化し、プラスに転換するため、それ自体はとても効果的なメソッドである。

しかしこれも変な方向で囚われると、ちょっとしたブロックも許せなくなる。不安になる。
先ほどのマイナス思考の問題と同じである。


以上、挙げたような問題が続出し、スピリチュアル・ジプシーが大量生産(?)される現状において、それを逆利用して商売するスピラーが後を絶たない。

引き寄せの法則や成功哲学では、プラス思考を重視する。
だがそのメソッドが世に広く知れ渡ると、必ず正反対のことを言い出す人が現れる。

「マイナス思考のままでもいいんですよ。プラス思考にならなくても成功できるのです」

確かに人間にはマイナス思考も必要だが、それは程度問題なのだ。
「マイナスのままでよい」 ということなど有り得ない。
両極のバランスが取れていることが重要なのだ。

プラス思考一点張りのメソッドにもいろいろ問題が生じやすい。
プラス思考を心掛けても、その通りにならずに、挫折者が続出する。

その問題を解決するためにブロック解除法やクリアリング法が普及したわけだが、そこにもイチャモンを付けるスピラーが多くなってきた。笑
キリがないね…。

心理療法の世界では、マイナス観念記憶をプラスに書き換える。
自己啓発系スピでは、セルフイメージを成功者タイプへと再構築する。

すると天邪鬼さんが現れて…、
「セルフイメージがマイナスのままでも大丈夫です」
「観念記憶を書き換える必要はありません」

「プラス思考を心掛けるだけで十分です」
「問題にフォーカスすべきではありません」


やれやれ…。
ただの先祖返りじゃねーか。笑


人間の意識の基本システムを真に理解した人は、「意識の在り方」 が最も重要だという事を知っている。
多くの場合、メソッドの問題ではないのだ。

冒頭で述べた努力逆転の法則とよく似た問題が起こっている。
ところが阿漕なスピ商売人は、まるでメソッドの問題であるかのように情報操作する。
そして自分が指導・販売するメソッドの有用性を宣伝するわけだ。笑

「他のメソッドを否定し、自分のメソッドを売り込む」
この種の独善的・排他的な指導者こそ、我々が最も警戒すべき存在である。

彼らは人々の認識上の盲点(スコトーマ)を利用する。
言葉巧みにマインドコントロールを仕掛けてくる。


私も多くのスピを検証してきたが、特定のメソッドを完全否定したケースは少ない。
私が度々強調したのは、「人それぞれ自分に合った方法がある」 「願望や問題の種類によっても最適な方法が異なる」
ということである。

冷静に考えれば、当たり前の話なのだ。

だが、計算高いスピ商売人どもは、画一的なメソッドを押し付けてくる。
人それぞれの違いを無視し、「○○メソッドは駄目」 「私が指導するメソッドなら大丈夫」などと、ぬけぬけと自己アピールする。

それは人々の魂を傷付け、踏みにじる行為だ。
個性あるハートの道を塞ごうとする悪質な妨害行為だ。

そんな指導者が口では「貴方のハートを大切にしましょう」などと説く。
無責任きわまりない。


それぞれのメソッドによって潜在意識へのアプローチ方法が異なるが、「潜在記憶を書き換える」という点では全く同じである。
手段が異なるだけ。

ところが最近、「潜在意識を全く使わない」というメソッドがあることを知った。
潜在意識を使わずともネガティブ思考が解消され、恒久的にポジティブ思考が維持できる…と宣伝していた。

だが、私がそのメソッドを徹底調査したところ、(やはり)潜在意識を使っていることが判明したのだ。笑
形の上では潜在意識を使わないように見えるが、本当は巧みな誘導技術を用いて、潜在意識にアクセスしている。


人は誰もが表層意識と潜在意識を持っている。
無意識層の膨大な記憶データが、マインドの質や方向性を決めている。

平均的な日本人は、日本語の単語を数十万個も記憶しているという。
だが数十万個もの単語データを、今この瞬間マインドレベルで同時に意識することは出来ない

そんなことをすれば頭がパンクしてしまう。

だから人間というものは、その基本構造上、意識が各層に分かれているのである。
そうでなければ人としての生命さえ維持できない。

そして、その潜在意識の膨大なデータこそがマインドや肉体を作っている。
故に、そのデータを書き換えることが自己変革や願望実現における必須の条件なのだ。


まあ、いろんな指導者が、あの手この手でオリジナリティを訴え、自分のメソッドの優位性を強調しているわけだが、本質を逸らしたPR戦略だけは自粛して戴きたいと思う。
文字通り、本質を見失わせる手口だから…。

スピの分野に限らず、この手のネガキャンを利用した宣伝戦略は、どの分野にも見られる。ありふれている。

アメリカのテレビCMでは、ライバル企業の商品を揶揄しながら、自社製品を売り込む手法が当たり前になっている。
たとえばコカ・コーラ社のCMでは、ライバルのペプシコーラを嘲笑する。
逆にペプシコーラのCMでは、コカ・コーラを揶揄する。

昔、日本でもそのCMが流れたことがある。
ミュージシャンのMCハマーが出演していた。
だが、さすがに日本では問題が多かったらしく、ライバル会社の商品映像にモザイクがかけられた。笑

ただ一般の商品ではある程度は仕方ないかもしれないが、スピリチュアルは人生の根幹に関わるものである。
人それぞれ今までの人生で蓄積してきた経験が異なるし、将来のビジョンも異なる。

価値観も世界観もそれぞれだ。

誠意ある指導者なら、それを第一に尊重するだろう。
だが今のスピ界で蔓延しているのは、各自の違いを無視した独善的・排他的なアプローチ手法であり、人々の心を惑わせている。

そんなことでは悪質な霊感商法やカルト教団だと言われても仕方ない。
カルトの問題は決して特殊ではない。
今、貴方の目の前に広がっているのだ。

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エンライトの未発表原稿を発表させていただきました。(代理人・美雨)